卸売市場法の抜本見直しを議論へ-規制改革推進会議2017年9月28日
規制改革推進会議の農林ワーキンググループが9月20日に会合を開き、卸売市場法の抜本的見直しなど審議事項を決めた。JAグループの自己改革の進捗状況もフォローアップする。
規制改革推進会議は今期から農業ワーキンググループを農林ワーキンググループと水産ワーキンググループに再編した。 農林ワーキンググループは今期のおもな審議事項を以下のように決めた。
○林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の推進=林業の管理経営を意欲のある持続的な林業経営者へ集積・集約化する方策や、これを補完するために市町村等が担う公的仕組みとその持続可能な実行を担保する財源を含めた枠組みについて検討する。
○農業競争力強化と地域経済活性化に向けた農地の利活用の促進=(1)農地中間管理機構を軸とする農地の集積・集約化のさらなる推進に向けた対策や過度な転用期待に伴い流動化が拒まれている状況の改善策について検討する。(2)新たな技術革新を活かした農業生産を支える多様な施設・設備の設置や運用を行う場合の農地法における取扱いについて検討する。
○農地・林地に関する所有者不明問題=意欲ある経営者や地域社会が新たな取り組みに踏み出そうとする際の阻害要因となる所有者不明の農地・林地について農業生産基盤強化、国土保全等の観点から新たな所有・利用のあり方について検討する。
○卸売市場法の抜本的見直し=経済社会情勢の変化を踏まえて卸売市場法を抜本的に見直し、合理的理由のなくなっている規制は廃止すべく検討する。
これら4項目に加えて「重点的フォローアップ」として、▽全農が生産資材の購買事業の見直し・農産物の販売体制強化等を盛り込んで策定した新たな年次計画の実施状況、▽中央会制度から新たな制度への移行、▽地域農協組織の信用事業の農林中金等への譲渡等、平成31年5月までの「農協改革集中推進期間」にあるJAグループの自己改革の進捗状況をフォローアップし、「真に農業者のための改革が実現するよう促す」と明記した。 卸売市場法の抜本見直しは昨年11月に政府・与党が決定した農業競争力強化プログラムで「生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立」のなかに盛り込まれた。また、今年6月の規制改革実施計画では29年末までに具体的結論を得て法令や運用を改めるとしている。
9月21日の自民党の農林関係合同会議では卸売市場法の抜本見直しについて農水省の考え方を聞いたが、卸市場が果たしている機能を慎重に評価するべきだと意見が出された。ただ規制改革実施計画では29年末までに結論を得るとされており総選挙後に議論が加速することは考えられる。
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