遮水シート水中で50年、耐久性を確認 農研機構2018年11月2日
農研機構は11月1日、農業用貯水池等に利用されている遮水シートの耐久性を、50年間にわたる実用環境下での実証試験により明らかにした。
全国の農業用水路網の総延長は約40万km、農業用貯水池は約20万箇所という膨大なストックを形成している。これらを構成する土木材料の一部には、水密性を確保するために遮水シートが使われており、施設の多くは建設から相当年数が経過している。しかし、実用環境下で長期間曝露した場合の遮水シートの耐久性については、十分なデータが整理されていなかった。
そこで、農研機構は欧米諸国を中心として用いられていた合成ゴム系の遮水シートを、1967年に日本で初めて農業用貯水池の遮水材として使用する実証試験を開始。設置後50年を経過した2017年、貯水池から採取した貯水池底面の遮水シートの引張強さ・破断時伸び・引裂ひきさき強さなどを分析した。
その結果、遮水シートの各種物性は、水中に存在していれば、50年を経過しても初期値の約8割程度を保持していることが明らかになった。
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