豚コレラ 1府4県に拡大2019年2月7日
農林水産省は2月6日、愛知県豊田市の養豚農場で豚コレラの患畜を確認したと発表した。同農場から子豚が近県の農場に出荷され、それらの農場のうちでも陽性が確認されたことから愛知県、岐阜県、長野県、滋賀県、大阪府の1府4県に一気に拡大した。
豚コレラは豚、イノシシの家畜伝染病。人には感染しない。国内では平成4年の熊本県での発生が最終発生で平成19年に清浄国に認定された。
しかし、昨年9月に岐阜県で26年ぶりの発生が確認され、同県では今年1月に7例目が確認された。この間、野生イノシシからも多数の感染例が確認されている。
また、野生イノシシの感染例は愛知県犬山市でも確認されている。
6日に確認された豊田市の農場は繁殖豚1140頭、肥育豚5500頭を飼養していた。発生農場の周辺は移動制限区域(3km以内)と搬出制限区域(10km)を設定され消毒ポイントの設置と発生農場の豚すべてを殺処分する。愛知県は陸上自衛隊に災害派遣要請を実施した。
検査の結果、ウイルスは愛知県のイノシシ、岐阜県の豚やイノシシの患畜と同一だと分かった。このタイプは日本で過去に発生した事例のウイルスではなく、近年、中国やモンゴルなどで発生している。
感染経路は不明で愛知県犬山市のイノシシの感染確認地域と豊田市の農場は30kmの距離がある。農林水産省は国の疫学チームを現地に派遣した。
同農場からは子豚を1月中旬から2月5日にかけて出荷しており、このうち長野県飯田市、岐阜県恵那市、愛知県田原市(系列農場)、滋賀県近江八幡市、大阪府東大阪市の農場で子豚の陽性が確認された。
これらの農場の飼養頭数は合計で8600頭。豊田市の6640頭とあわせて、今回の発生で1万6000頭が殺処分される。
農水省は愛知、岐阜の全農場に対して消毒や野生動物侵入防止措置の徹底などを改めて指導した。政府は6日夕、関係閣僚会議を開いた。菅官房長官は「関係府省が一致団結して対策に全力を」と指示した。各地の農場、自治体、関係者による徹底した防疫対策が求められる。
(関連記事)
・豚コレラ 7例目を確認-岐阜県(19.01.29)
・岐阜の豚コレラ 強毒株より低い病原性-農研機構(18.11.29)
・野生イノシシの豚コレラ 6例目を確認-農水省(18.09.25)
重要な記事
最新の記事
-
【全中・JA経営ビジョンセミナー】伊那食品工業で「年輪経営」を視察 年間まとめ、参加者の報告も交流(1)2025年3月11日
-
【全中・JA経営ビジョンセミナー】伊那食品工業で「年輪経営」を視察 年間まとめ、参加者の報告も交流(2)2025年3月11日
-
【地域を診る】東日本大震災から14年 被災地で学んだこと 協同の意義 現場で痛感 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年3月11日
-
JA全青協 新年度会長に北川副会長を選任2025年3月11日
-
理事長に小川良介前農林水産審議官 JA共済総研2025年3月11日
-
福島など被災地「農林水産業の先進地域へと支援」 江藤農相2025年3月11日
-
第二の備蓄米「飼料用米」から主食用米への転用は可能か?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年3月11日
-
オリジナルハンカチをプレゼント 「いわて純情セレクト」対象商品購入で JA全農いわて2025年3月11日
-
「JA全農杯全国小学生選抜サッカー大会」北信越代表チームは「長岡JYFC U‐12」2025年3月11日
-
岩手県大船渡市の山林火災被害の自賠責共済で特別措置 JA共済連2025年3月11日
-
「農中森力(もりぢから)基金」第11回の助成6案件を決定 農林中金2025年3月11日
-
農文協 創立85周年の記念出版『みんなの有機農業技術大事典』発売2025年3月11日
-
健康経営優良法人2025 大規模法人部門 ホワイト500に認定 カゴメ2025年3月11日
-
ローソン「栃木美味しいもの巡り」 ご当地の味が楽しめる8品を発売2025年3月11日
-
ハンガリー産およびスロバキア産偶蹄類由来製品等 輸入を一時停止 農水省2025年3月11日
-
コープデリ「TSUTAYA DISCAS」宅配DVDレンタルサービスを組合員向けに提供開始2025年3月11日
-
3月11日限定 東日本大震災で被災した東北3県と石川県の商品が300円割引 ポケットマルシェ2025年3月11日
-
人事異動 北興化学工業(4月1日付)2025年3月11日
-
大阪・関西万博 「食と農」をテーマに2台の未来の「汎用プラットフォームロボット」を展示 クボタ2025年3月11日
-
米文化を学ぶ親子体験イベント 東京・茅場町で開催 プレナス2025年3月11日