生協産直が目指すものは? 日本生協連全国産直研究交流会開催2019年2月25日
日本生協連は2月22日、東京・有明で生協組合員・職員や産直生産者など関係者約330人が出席し、「第35回全国産直研究交流会」を開催した。
1985年の第1回開催以来、35回目を迎える今年のテーマは「生協産直の未来構想」。
昨年春に行った全国生協産直調査の結果から、何を目指していくべきか、生協産直の存在意義について議論を行った。
はじめに、藤田親継産直事業委員会委員長が、アンケート結果を紹介。そして、今後の提言として▽生協産直と産直の目的を定義すること▽生産者と組合員をつなぐ仕組みを再構築する▽生産者団体と生協のパートナーシップを強化する▽生協間連携を広げる、といったことを挙げた。
(写真)藤田氏
次いで、東京大学大学院の中嶋康博教授が「生協産直は何を目指すのか?」と題して基調講演を行った。ポスト平成期となる次の時代をどのように取り組むかが重要として、持続性の高い多様な農業と農村を実現するため、市民・消費者がその支援に積極的に関わることを都市側から提案すべきだと語った。
続いて、問題提起で壇上に上がった紀ノ川農協代表理事の松本和弘専務は、産直事業成長の一因に労働人材の重要性をあげ、障害者や新規就農希望者に対し「目的を明確にすることが大切。農業体験から食べる楽しみを知ってもらう、社会環境に配慮した商品がどういったものなのかを考えさせるといった学習プログラムが必要」と話した。
(写真)紀ノ川農協代表理事の松本和弘専務(左)と生協コープかごしまの中山哲志専務スタッフ
また、生協コープかごしまの中山哲志専務スタッフは、鹿児島県は畜産が盛んで他の生協とは違った問題や利点があることなどを説明。「今後は地域が主体となり困りごとの解決は自治体とともに行う、協同組合員として成長と連携が重要。その先に産直事業の未来が見えてくる」と語った。傍聴者は熱心にメモを取りながら、登壇者の話に耳を傾けていた。
(写真)「生協産直のあらたな未来をつくるために」と題したトークセッションも行われた
(関連記事)
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