日本の主権を簒奪 小規模農業が最適-孫崎・金子氏が日米FTAで講演2019年6月12日
農民や市民の団体などでつくる超党派のネットワーク「TPPプラスを許さない!全国共同行動」は6月11日、参議院議員会館で「STOP!日米FTA」緊急集会を開いた。講演とディスカッションで日米貿易交渉の問題点として、特に命と健康の視点から日本農業のあり方について意見を交わした。
日米FTA交渉反対を訴えた緊急集会
集会では東アジア共同体研究所所長の孫崎亨氏と金子勝立教大学大学院特任教授が講演。
孫崎氏は、日米貿易交渉について、安倍首相とトランプ大統領を「戦後最悪の組み合わせ」と分析。「日本の民主主義の危機。このままでは日本の主権が奪われる」と、安倍政権の政策を批判した。また、「貿易交渉で一番の焦点は農業。一番反対すべきなのに、途中で『あまりアメリカに無理を言っても...』とトーンが変わった」と、自民党とJAの姿勢に疑問を投げかけた。
金子氏は、自由貿易を前提とした農業政策、特に規模拡大・競争力強化を基本とする日本の農業のあり方を批判。「国民の命、安全で安心な農産物の生産は大規模経営より、中小の経営が適している。農薬の安全基準を強めることが、日本の農業にとってよいことであり、消費者も含めて、価値観を変えるべきだ」と主張し、すでにヨーロッパの先進国では、有機農業への切り替えが本格化していることを強調した。
食生活センタービジョン21主宰の安田節子さんも、ディスカッションで「アメリカのターゲットは農産物や食品。政府はTPP発効に合わせ、遺伝子組み換え食品や防カビ剤などの安全基準の緩和を進めている」として、国民の命、環境を守る立場からも日米FTAの危険性を強調し、有機農業の必要性を訴えた。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日