山間地、今後30年で人口半減-農水省2019年9月4日
農林水産省は農村地域人口と農業集落の将来予測結果を8月30日に公表した。山間農業地域は今後30年間で人口が半減し、過半が65歳以上の高齢者になると見込まれている。
農林水産政策研究所が国勢調査データの組替集計などをもとに、西暦2045年における農村構造を予測した。
それによると人口減少の進行は農業地域類型によって大きな差があり、人口減少に転じた時期が早い山間農業地域では、今後もさらに人口減少が進むと見込まれた。2015年から45年までの30年間で山間農業地域の人口は半減し過半が65歳以上の高齢者となる。平地農業地域でも人口は3割減、高齢化率が40%を超える見込みとなった。
2015年の全国平均の農業集落の姿は、世帯数50戸、うち農家数11戸、人口174人、高齢化率35%、耕地面積(属地)は17haとなっている。ただ、山間地域は24戸、62人で高齢化率は44.6%となっている。集落内の農家数減少は著しく、平地農業地帯の販売農家数は10戸だが、中間地域では6戸、山間地域ではわずか4戸となっている。
2010年からの5年間に4割強の集落で世帯数が減少した。集落調査結果では人口規模の小さな集落、高齢化率の高い集落ほど集落活動が停滞する傾向にある。
2045年の集落人口を推計すると、集落の縮小が進行し「人口9人以下」の集落が全体の9%を占める。山間地域では25%に達する見込みだ。
集落の縮小と併行して高齢化も加速して集落人口の過半が65歳以上となる集落が山間地域で65%、中間地域で57%となる。
約14万の農業集落のうち、集落の存続が危惧される人口9人以下で高齢化率50%以上の集落(存続危惧集落)は、2015年の2000集落から2045年には1万集落へと4倍以上に増加すると推計された。これらの集落の9割が中山間地域にある。
存続危惧集落の割合が2045年に10%を超えると見込まれるのは、北海道、石川と、和歌山、島根、山口、徳島、愛媛、高知、大分と西日本地域が多い。
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