【江藤新農相就任会見】あらゆる機会つかまえ農業の体質を強化2019年9月12日
第4次安倍再改造内閣で就任した江藤拓新農相は9月11日夜、農林水産省に初登庁し就任記者会見に臨んだ。江藤農相は自給率向上と自給力の維持を重要課題として挙げるとともに、TPP11の発効や日米貿易交渉の今後の締結などをふまえ、TPP関連対策大綱を見直す可能性も「当然あり得る」として、「あらゆる機会をつかまえ、国内農業の体質強化のチャンスを逃したくない」などと述べた。
江藤大臣は初当選以来、農林水産行政を政治課題としてきたと述べ「大臣拝命は大変名誉。蓄積を十分にいかして農林水産業の魅力ある発展に努力したい。もう一度初心に帰るつもりで、役所の幹部だけなく若手からも意見をうかがい地方にも出向きたい」とあいさつした。総理からは東北復興のほか、食料自給率向上と自給力強化、輸出拡大などを指示されたという。
基本計画の見直しが諮問されているが、その方向について「家族経営が規模の大小に関わらず日本の農業を支えていることに十分留意しなければならない」としたうえで、あらゆる業態の農業者が強い農業になり、活力ある農村が実現するよう「産業政策と地域政策を車の両輪として政策が講じられるよう見直しを行っていきたい」と話した。 また、食料自給率が37%と最低水準となったことについて「よいことだと思っていない。かつて日本は大戦も経験。そのときは国会議事堂の前に芋畑が作られるような食料難の時代も、そんな遠くない昔にあった」、「日本国民の安全、安心のためには自給率ももちろん大事で、自給力を維持することはとても大事」などと述べた。
そのうえで自給力の維持は、生産基盤の農地を適切に維持し、そこを守る農業者が「生業として成り立ち、家族を養っていける産業政策と地域政策が大事」と強調した。 農協については中山間地域でエーコープやガソリンスタンドなどを営業していることが「地域を守るために大きな貢献。高く評価している」とJAグループとは密接に議論を重ねて「自己改革の取り組みに期待したい」とした。
また、准組合員の事業利用規制問題については「組合員の判断に基づくものとするという党の決議もあり選挙公約にもなっている。これをふまえてしっかり対応していきたい」と述べ、党の方針にしたがうことを明言した。
米政策の見直しについては生産者自らが作付けを判断することに「努力と理解が得られ(米の)価格は堅調に推移している」と評価、今後もきめ細かな情報提供によって水田フル活用の実現を図る考えを示した。
日米交渉については「農産品については過去の経済連携協定の範囲内であると理解している」とし、9月末の合意に向けて農水省として全力で取り組んでいると話した。ただ、最終段階まで農相として交渉を「ウォッチしていきたい」と強調。 同時に、日米交渉の結果とは別に、TPP関連対策大綱が「日本の農業を強くするためにいい効果を発揮している」として、「見直されることも可能性としては当然ある」と話し、その真意について、「あらゆる機会をつかまえ、国内農業の体質強化のチャンスを逃したくない」と強調した。
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