クックパッド×静岡聖光学院×聖学院がコラボ 料理の価値観をアップデートする男子高生たち 2019年11月21日
かつて料理は女性がするもの、毎日するものというイメージや価値観が当たり前とされていた。だが今、そうした価値観のアップデートが急務となっている。
日本最大の料理レシピサービスを提供するクックパッドと、中高一貫男子校である静岡聖光学院と聖学院がコラボレーションし、生徒自らが食についての課題定義をし、新たな食の価値を考え、創造する企画を行っている。
現在、各地のJAなどが参加して「食育」活動が行われているが、「料理の価値観をアップデートする」という視点での取り組みは、「食育」の可能性を広げる上で参考になるのではなかろうか。
このコラボレーション企画の概要は次のとおり。
【第1回】「料理を通して世界を探検!」11月5日(火) ※静岡聖光学院中学校・高等学校を会場に実施済み
◆内容:この日は最初に、自然の恵みを肌で感じるため、静岡聖光学院の美術科教員が運営する「聖光農園」で手作り肥料と土の力で育った作物の収穫を行った。
その後、クックパッド(株)から世界の台所探検家・岡根谷実里氏※が、世界各国の台所を渡り歩いて得た料理の知識や体験をもとに、その国の文化や歴史、社会的背景を男子生徒と共に紐解いた。
▽講演 世界の台所探検家・岡根谷実里氏(クックパッド社員)による講演「料理から世界を理解!」では、ブルガリアのヨーグルトを題材に、現地で得た経験や知識をもとに、地理・歴史・政治などの側面から切り込んで話した。
国や食材は違っても、料理の知恵はどこにも似た所があり、それぞれの食卓・料理には歴史や背景などストーリーがあることに生徒たちは気づかされた。
▽ワークショップ「自分たちで好きな国を選び、料理×国のクイズを作ってプレゼンしよう」
実際に生徒が自ら考えて、料理から世界をぐっと身近にするワークショップを行った。岡根谷氏が用意した、アメリカ、バングラディシュ、ケニア、イタリア、ノルウェー、ベトナムの6か国の代表的な食材、黒い色のライ麦パンやタコスの生地、外国の米やトウモロコシの粉などに実際に触れ、香りを嗅いだり、口にしながら考えた。
ワークショップを通じて、「日常の料理から遠くの世界について考えたことで、料理がぐっと身近に、さらに世界がより近く親しみやすいものになったと感じた」という。
次回は、クックパッド本社での料理体験などが行われる。生徒たちにどのような新たな気づきが生まれるのか、楽しみだ。「料理の価値観をアップデート」するというミッションを背負った彼らが「未来の新しい料理・食のあり方」をどのように考えるのだろうか。
静岡聖光学院でのワークショッフ?風景
【第2回】「料理したくなる世界をつくろう!」 11月23日(土) クックパッド本社を会場に実施
▽内容:家庭において女性が担うことの多い"料理"。その常識を超えて、これからの新しい将来を担う男子生徒たちが実際の料理に挑戦し、今の料理・食に対する現状を知った上で、未来の新しい料理・食のあり方を考える。
▽体験「みんなで料理をつくり、料理の力を感じよう!」
▽講演「料理とジェンダーを取り巻く世の中のファクトとトレンド」
▽ワークショップ「これからの未来のあり方を表現し、その世界を広める方法を考えよう」(LEGOを使ったストーリーテリングを行う予定)
(※)1989年長野生まれ。東京大学で土木工学を専攻し、大学院ではウィーン工科大学に留学。2014年クックパッドに入社。世界の台所探検家として、世界各地の家庭の台所を訪れ、世界中の人と一緒に料理をし、そこで見つけた「料理や食卓の楽しみ方」や料理から見える社会文化背景を、授業やイベントや執筆など様々な方法で伝えている。これまで訪れた国は60か国以上。
中高一貫男子校の静岡聖光学院は駿河湾と静岡市街を見下ろす小高い丘にある。(同校のHPから)
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