適正生産708~717万t【令和2年産主食用米】2019年11月21日
農林水産省は11月20日、食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開き、米穀の需給見通しについて諮問、審議会の答申を受けて令和2年産米の米の適正生産数量など「米の基本指針」を改定した。主食用米の適正生産量を令和元年産より10万t少ない708万~717万tとした。
東京・三田の共用会議室で開かれた20日の食糧部会
主食用米の需要見通しは1人当たりの消費量と人口から推計する。
令和元年/2年(元年7月~2年6月)は727万tとなった。元年産の主食用生産量は10月15日現在で727万tとなっており、これに6月末の民間在庫量189万tを加えた916万tが令和元年/2年の主食用米の供給量となる。
ここから需要量見込みの727万tを差し引くと来年6月末の民間在庫量は189万tとなる。
一方、令和2/3年の主食用米の需要見通しは717万tと今年度より10万t減少する。これをもとに農水省が決めた令和2年産の適正生産量は需要量と同水準の717万tとした。この場合は令和3年6月末の民間在庫量は189万tとなる見込みだ。農水省はこれに加えて民間在庫量が安定供給を確保できる水準として180万tとなる生産量である708万tも適正生産量とし、9万tの幅を持って708万t~717万tと設定した。
令和元年産の適正生産数量の718万t~726万tより10万t減らなければならないが、作況指数が100だった場合、元年の生産量は733万tとなったとの見込みをふまえると令和2年産は今年より16万tから25万t生産量が抑えられるよう作付け面積を減らす必要がある。 そのためには飼料用米や麦、大豆への作付け転換が重要になる。
食糧部会では委員のJA全中の金井健常務が「主食用以外をいかに作付けしていくか。カロリーベース自給率を上げるためにも水田をしっかり活用し、飼料用米、麦、大豆の作付けが大事になる」と強調するとともに、行政と連携して適正生産に取組むことが大事と述べた。
粕谷農場の粕谷茂代表は米の消費減退について「米は主食で大事。作ることに誇りを持ってきたが米を作っていていいのかとも思う」と話し、日本の食文化の基礎である米の消費拡大対策の重要性を強調し「文化を守ることは国を守ることだと思う」と話した。
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