予防的殺処分 ASFも対象に-家伝法改正へ2019年12月11日
「我が国の家畜防疫のあり方についての検討会(座長:筒井俊之農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門長)」は12月6日に中間とりまとめを行い、予防的殺処分の対象にASF(アフリカ豚コレラ)を追加することなどを提起した、農林水産省はこれをもとに家畜伝染病予防法の改正案をまとめ来年の通常国会に提出する。
昨年9月に発生したCSF(豚コレラ)は7県まで発生し、野生イノシシの感染が拡大している。また、ワクチンなどによる予防・治療法がないASF(アフリカ豚コレラ)が韓国でも発生する事態となり、わが国への侵入の脅威が高まっていることから、検討会は10月から4回開催し専門家が家畜防疫をめぐって幅広く意見交換し、家伝法の改正事項とともに運用上の改善までを含む内容をとりまとめた。
輸出入検疫のあり方では、家畜防疫官の権限を強化し、空港などで入国者に対して携帯品中の肉製品などについての質問や検査権限を付与する。また、輸入検査を受けずに肉製品等、畜産物を持ち込んだ場合は現行では3年間の懲役または罰金100万円となっているが、これを強化する。
同時に海外の海空港等での肉製品の持ち込み防止など、わが国の動物検疫制度の周知広報を強化する。
野生動物対策では、病原体の拡散防止のための経口ワクチン散布や、病原体の浸潤状況を把握するための検体確保などを家伝法に位置づけ安定的に実施する。
野生動物で悪性伝染病の感染が発見された場合、周辺農場に対して家畜の移動制限ができるよう措置することや、と畜場の関連施設や複数の農場に出入りする関係事業者の車両などに消毒など拡散防止策を行うことができるよう措置する。
また、関係省庁や地方自治体と連携し、野生イノシシの捕獲について計画的・戦略的に行うことも提起した。
予防的殺処分については現在は口蹄疫に限って認めているが、わが国への侵入の脅威が高いASFを対象に追加する。同時に発動基準を明確にして迅速、適切に執行する体制の整備と、農家への情報提供による理解の向上も取り組み事項としてあげた。
基本となる飼養衛生管理では、家畜所有者の責務を明確化し、農場ごとに飼養衛生管理の責任者を設置することや、命令違反者や報告違反者に対する罰則も強化する。
同時に都道府県では知事が指導計画を策定し、家畜所有者を計画的に指導し、そのための方針や手続きなども明確にする。
国の責務も明確にし都道府県知事が緊急に行う勧告や命令に対して国が指示したり、都道府県の措置について国が積極的に公表することなども措置する。
農林水産省は予防的殺処分の発動基準については、範囲や地形などを考慮する必要があることや、農家の協力が得られる補償水準も検討しなければならないとしている。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲にイネカメムシ 県南部で多発のおそれ 栃木県2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【公明党】米政策が農政の柱 谷合正明参議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【日本維新の会】農業者への直接支払い実現を 池畑浩太朗衆議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【国民民主党】食料安全保障基礎支払いの創設めざす 舟山康江参議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【社民党】ミサイルよりコメを! 福島みずほ党首(参議院議員)2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【参政党】10年以内に自給率を倍増 神谷宗幣代表(参議院議員)2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】地域ブランドつなぐ 営農経済部門・福岡県・にじ農協組合長 右田英訓氏2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】「不易流行」で農支援 営農経済部門・熊本県・球磨地域農協組合長 福田勝徳氏2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】人とのつながり糧に 営農経済部門・長野県・グリーン長野農協元組合長 竹内守雄氏2025年7月9日
-
「不幸の書簡」とストックホルム症候群【小松泰信・地方の眼力】2025年7月9日
-
【アンパンマンはなぜ生まれたか】 ノンフィクション作家・梯久美子さん 第46回農協人文化賞特別講演2025年7月9日
-
7月21日、広島でトラクターデモ 令和の百姓一揆 欧米並みの所得補償求め2025年7月9日
-
【人事異動】農水省(7月10日付)2025年7月9日
-
【JA人事】JA上士幌町(北海道)高橋昭博組合長を再任(6月6日)2025年7月9日
-
【JA人事】JA筑前あさくら(福岡県)熊本廣文組合長を再任(6月26日)2025年7月9日
-
【JA人事】JAグリーン近江(滋賀県)大林茂松組合長を再任(6月21日)2025年7月9日
-
【JA人事】JA新得町(北海道) 組合長に太田眞弘氏を再任2025年7月9日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鳴戸部屋で兵庫の食材使用「ちゃんこ」を堪能 JAタウン2025年7月9日
-
健診施設機能評価認定更新 JA熊本厚生連2025年7月9日
-
JA鹿本のグリーンハウスミカン出荷順調 7月中下旬ピーク、総量130トン見込み2025年7月9日