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土壌の炭素量増加で干ばつ被害軽減が明らかに 農研機構2020年2月10日

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 農研機構は、世界の穀物収量と土壌データを解析し、乾燥地域を中心とする世界の7割の農地では、農地の土壌に含まれる炭素量が多い場所で、干ばつ被害が抑えられていることを明らかにした。この研究成果は、農地土壌の炭素量を増やすことが、土壌保全に加え、大気中のCO2減少を通じて温暖化の緩和につながり、さらに乾燥地域の食料安全保障に有効であることを示している。

干ばつ耐性ギャップと表層土壌の炭素量干ばつ耐性ギャップと表層土壌の炭素量

図説明:▽左図は、干ばつ年に(潜在的に)実現可能な穀物生産レベルと各メッシュの干ばつ耐性(干ばつ年の収量/平年の収量(%))の差(干ばつ耐性ギャップ)を示している。赤色の地域は、干ばつ耐性が低い地域であるため、これから土壌炭素貯留など栽培管理により干ばつ被害をさらに軽減できる可能性が大きいとみられる地域を示す。一方、緑色の地域は干ばつ耐性が既に高く、干ばつ被害をさらに軽減できる余地が小さい地域を示す。乾燥地域では土壌中の炭素量が多いと干ばつ耐性ギャップが縮小する傾向が見られ、干ばつ時に穀物収量が低下しにくくなることを意味する。

▽右図は穀物が生産されている農地の表層土壌(土壌表面から深さ30cm)に含まれる平均の炭素量。なお、大部分のメッシュでは炭素量は8kg/平方m以下だが、一部にそれ以上の炭素量の地点もある。

 干ばつは世界で最も影響の大きい農業気象災害だが、農地管理により土壌中の有機物(主に土壌炭素)を増やすことは、土壌の肥沃度の向上や保水力を高めることつながり、作物の干ばつ被害を軽減する効果があることが知られている。

 しかしこれまで、土壌炭素の増加による干ばつ被害の軽減効果が、世界のどの地域でどの程度あるのかについては明らかでなかった。

 農研機構は今回、世界の主要穀物(トウモロコシ、コメ、コムギ、ダイズ)の収量データと土壌データを組み合わせ、農地土壌の表層30cmまでに含まれる炭素量と穀物の干ばつ被害との関係を解析した。

 その結果、世界の農地の7割が分布する乾燥・半乾燥地域では、農地の土壌炭素量が多い所ほど、干ばつの被害(=収量低下)が押さえられていることがわかった。

 この関係が特にはっきりした乾燥地域だけでなく、半乾燥地域でも干ばつ被害の改善が見込める水準まで土壌の炭素量を増やすことで、干ばつ年の世界の穀物生産は、現状に比べて16%まで増加可能と試算された。また、このとき農地に追加される炭素量は、世界全体で48.7億tとなる。

 つまり、農地管理によって農地土壌の炭素量を増やすことは、地球温暖化を緩和する方策の一つとなる。腐葉土などを新たに土壌に入れ土づくりをすることは、土壌の炭素量を増やすことになる。そしてこれは新たに土壌に蓄えられた炭素量に相当するCO2を大気中から減らしたとみなすことができる。今回試算された追加炭素量(48.7億t)は、2016年の世界の年間CO2排出量の55%に相当する。

 この研究成果は、土壌炭素をを増やすような農地管理が、特に土壌炭素に乏しい乾燥地域で、持続可能な開発目標(SDGs)の複数の達成に同時に寄与できることを示しており、国際機関や各国での施策決定に役立つと期待される。

 この研究成果は科学国際誌「Scientific Reports」に掲載された。

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