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18年ぶり5千億円突破 平成30年林業産出額2020年2月20日

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 農林水産省は「平成30年林業産出額」を公表した。

林業産出額の推移林業産出額の推移

 林業産出額は、戦後の大量伐採に伴う国産材の生産量の減少や、木材価格の低下によって長期的に減少してきたため、平成16年以降は4000億円前後で推移してきたが、25年以降は増加傾向で推移している。
 平成30年は、木材需要の回復を背景に国産材の需要が堅調なことなどから、前年に比べ156億円増加し、5026億円(対前年増減率3.2%増)と、12年以来、18年ぶりに5000億円台を回復した。

◆木材生産
 全国の木材生産の産出額は、近年、丸太輸出、木質バイオマス発電などの新たな木材需要から増加傾向で推移しており、平成30年は、前年に比べ87億円増加し、2648億円(同3.4%増)となった(表2)。

木材生産の産出額の推移(全国)木材生産の産出額の推移(全国)


▽製材用素材等
 製材用素材等の産出額は、近年、新築住宅着工戸数が堅調に推移してきたこととともに、木材輸出国(ロシア、マレーシア等)における丸太の輸出税引き上げや輸出規制の強化等によって外材の確保が困難となってきたことや、日本の森林資源が充実する中で、従来は困難であった合板製造分野での国産材利用について技術開発や国産材の供給・加工体制の整備などを背景に増加傾向で推移してきた。
 平成30年は、前年に比べ39億円増化し、2289億円(同1.7%増)となった。この要因としては、外材の価格高騰や供給不安などで合板用素材で国産材への転換がみ、スギなどの素材生産量が増加し、価格も上昇したことなどが寄与したと考えられる。

▽輸出丸太
 平成25年以降、中国などにおける木材需要の増加などを背景に丸太輸出は増加傾向に転じている。
 平成30年の輸出丸太の産出額は、前年に比べ15億円増加し、112億円(同15.8%増)となった。この要因としては、中国向けの梱包材、土木用材、コンクリート型枠用材としてスギ丸太の輸出が増加したことなどが寄与したと考えられる。

国産材の輸出額の推移国産材の輸出額の推移


▽燃料用チップ素材
 平成24年の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の導入以降、燃料用チップに対する発電事業者のニーズが高まっており、燃料用チップ素材の産出額が大幅に増加。
 平成30年は、前年に比べ33億円増化し、248億円(同15.4%増)となった。この要因としては、30年に新たに稼働を開始した木質バイオマス発電施設が増加したことに伴って、燃料用チップ素材の利用量が増加したことなどが寄与したと考えられる。

◆栽培キノコ類生産(全国)
 栽培キノコ類生産の産出額は、長期的には、キノコ生産者数の減少などにより、シイタケなどの生産量が減少傾向にある一方、食の多様化の進展によってブナシメジ、マイタケなどの生産量が増加し、2000億円前後で推移している。近年は健康志向を背景に生シイタケ、エノキタケなどの生産量が回復し、増加傾向で推移してきた。
 平成30年は、前年に比べ55億円増加し、2263億円(同2.5%増)となった。この要因としては、消費者の健康志向の高まりからマイタケの生産量が増加し、価格も上昇したことなどが寄与したと考えられる。

キノコ類の生産量および卸売価格の推移キノコ類の生産量および卸売価格の推移(クリックで拡大)


◆都道府県別林業産出額(上位5道県)
 平成30年における林業産出額の上位5道県は、1位が長野県で593億円(前年比同0.5%増)、次いで新潟県が477億円(同15.1%)、北海道が468億円(同1.7%増)、宮崎県が291億円(同3.2%)、岩手県が197億円(同0.3%減)となっている。

上位5道県の林業産出額と部門別・品目別割合上位5道県の林業産出額と部門別・品目別割合(クリックで拡大)

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