創造的自己改革の完遂へ 6万盟友の意思固める JA全国青年大会で決議2020年2月27日
JA全国青年組織協議会(JA全青協)は2月18,19日、東京都内で開いた第66回のJA全国青年大会で、令和元年度の活動を総括し、新たな年度へ向けた意思固めを行った。大会宣言では盟友の思いを託したポリシーブックの実現に向けて結集することを宣言。また国の「食料・農業・農村基本計画」に対し、その理念の実現に向けた取り組みを強めるとの特別決議を採択。農業の抱える課題を解決するため、国民に強く働きかけることを特別決議した。2日間で延べ約2600人が参集した。(一部既報)
大会宣言で盟友の意思を固めた
今回の大会スローガンは「Time to go~さあ行こう~」。主催のJA全青協の今野邦仁会長は、開会のあいさつで「生産現場の声を反映させたポリシーブックを携え、『地域・農業・協同を次世代へ繋ぐこと』を青年部活動の実践を通じて確認して、協同の精神を、JA青年組織の責務を次の世代にしっかりと引き渡し、共に新しい時代を創造して行こう」と呼びかけた。
また、来賓のJA全中・須藤正敏副会長が、全組合員のアンケート調査の結果を踏まえ「JAはなくてはならない組織であることが明確になった。引き続き組合員との対話を深めてニーズを把握し、青年部のポリシーブックに反映させて欲しい」と激励した。
活動の継続を訴える今野会長(左)と青年部の活動を激励するJA全中の須藤副会長(右)
大会メインのJA青年の主張、JA青年組織活動実績発表全国大会では、全国6ブロックから個人、組織が発表した。青年の主張では熊本県のJA鹿本青年部山本支部の原田実さんがJA全中会長賞(最優秀賞)を獲得した。
原田さんは祖父・父・それに研修先の先達の3人の師匠の薫陶を受けてナス、スイカを栽培。祖父からは「繋がり」、父からは「情熱」、研修先からは「共育」を引き継いだ。「引き継いでいくもの」のテーマの明快さと、3人の師匠の教えを謙虚に学んで成長したモデルケースとして評価された。
青年の主張でJA全中会長賞を受賞する原田さん(左)、青年組織活動実績発表で千石興太郎賞を受賞するJA中札内村青年部(右)
活動実績発表では、北海道のJA中札内村青年部の「食育難民」が千石興太郎賞(最優秀賞)を受賞した。同青年部は、万歩計機能を持った活動量計(またはスマートフォン)を使い、歩いた距離や健康イベントに参加するごとにポイントを付与し、貯まったポイントを商品券と交換する「タニタ事業」を展開。村内の飲食店の健康メニューにもポイントを付与するなどで、食と健康の大切さを教えている。食の大切さを知らない〝食育難民〟が現れることがないように、地域全体で行う地域密着型食育として「完成度が高く、伸びしろがある」との評価を得た。
2日目の「農業に未来はあるのか?~本音で語る農政トーク!!~」のパネルディスカッションでは、家の光協会『地上』編集長の魚谷昌宏氏をコーディネーターにスマートフォンを使ったアンケートやクイズを交えて行った。特に農政運動では「農政運動をやっているか」の質問に、「はい」が50%強、「農政運動は面倒くさい」も50%強あった。また結婚相談や資金の相談などで「盟友に相談する」が多かった。
決意を表明する次期会長候補者の田中さん
なお大会では、令和2年度JA全青協会長に立候補した福岡県農協青年部協議会の田中圭介委員長が決意表明した。同委員長はJA青年組織綱領でうたう5つの取り組み課題を挙げ、「このミッションを実現することが青年部の責務。現場の声を結集して、青年部が拡声器の役割を果たし、農業者の主張を国民に訴えていきたい」と決意を示した。なお、3月の臨時総会を経て、5月の総会後に就任となる。
◇ ◇
大会宣言では、異常気象の常態化や、大規模自然災害、CSFの感染、さらにはTPP11や日米貿易協定など農業・農村をめぐる厳しい環境に触れ、「この難局に対してJAグループと一体となり、前進する必要がある」としている。その上で、「第28回JA全国大会で決議した創造的自己改革の実践を「我々自身が青年組織活動をもって完遂しなければならない」と決意を示した。
また特別決議では食料・農業・農村基本法の理念である「食料安定供給の確保」、「多面的機能の発揮」、「農業の持続的発な発展」、「農村の振興」の実現に向けて、自らが意欲、情熱、誇りをもって地域農業の振興を図る」として、このことを強く国民に訴えるとしている。
なお、大会で表彰されたJA青年の主張とJA青年組織活動実績発表全国大会の入賞者(組織)、および「手づくり看板全国コンクール、オリジナルワークウェアポスターコンクールの入賞は次の通り(人名の敬称略)。
【JA青年の主張】
▽最優秀賞(JA全中会長賞)
原田実(熊本県JA鹿本青年部山本支部)
▽優秀賞
添野俊(JAみやぎ登米南方町青年部)
荒井俊一(東京マインズ調布地区青壮年部)
中村勇貴(静岡県JA遠州中央青年部委員会)
中窪裕太(JAならけん青壮年部五条・吉野支部)
大庭啓太(JA高知県青壮年部春野本部)
【JA青年組織活動実績発表全国大会】
▽最優秀賞(千石興太郎賞)
北海道JA中札内村青年部
▽優秀賞
栃木県JA氏おのや青年部塩谷支部
静岡県JAしみず青壮年部
和歌山県JA紀北川上青年部
JA愛媛たいき青壮年部
福岡県JAむなかた青壮年部
【JA青年組織手づくり看板全国コンクール】
▽最優秀賞
福井県JAテラル越前村岡青壮年部、
▽アート部門賞
北海道・JAびばい青年部
▽全国消費者団体連絡会賞
徳島市農協国府支所青壮年部
▽JA全農賞
福島県夢みなみ農協青年連盟三神支部
▽JA共済連賞
新潟県JA越後ながおか青年部黒条支部
▽農林中金賞
山口県農協山口青壮年部
▽日本農業新聞賞
JAならけん青壮年部北葛支部
▽JA全中賞
長崎県JA壱岐市青年部勝本支部。
【JA全青協オリジナルワークウェアポスターコンクール】
▽最優秀賞
JAしまねくにびき青年連盟
▽優秀賞
北海道農協青年部協議会。
(関連記事)
・創造的自己改革の完遂へ JA全国青年大会で決議(20.02.20)
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