中世の姿残す荘園遺跡の荘園領主募集 大分・田染荘2020年3月30日
大分県豊後高田市の田染小崎(たしぶおさき)地区で組織する「荘園の里推進委員会」は、“荘園領主”と称した水田オーナーを4月30日まで募集している。
美しい中世の水田風景を残す田染荘
同地区は、国の重要文化的景観に選定され、中世の荘園景観を残す田染荘(たしぶのしょう)を後世へ伝えるため、景観保全への賛助、農村と都市との交流促進による相互の活動の活性化をめざし、荘園領主(水田オーナー)制度に取り組んでいる。
日本の原風景といえる田染荘は、火山活動でできた円錐形の国東半島の南部に広がる。1000年以上前から開発され、平安時代には宇佐神宮の荘園「田染荘」となった。その水田は現在まで継承され、荘官や荘園の人々が住んだ屋敷跡や水を運ぶイゼ(井堰)や水路、水を涵養するクヌギ林にため池などが残る「生きた荘園遺跡」。日本遺産「くにさき」の要となる構成文化財の一つとなっている。
田染荘は平成22年に、景観の国宝と言われる国の「重要文化的景観」に選定。平成25年には、 先人により引き継がれた農林水産循環システムが世界に認められ、「世界農業遺産」を象徴するスポットとして注目を集めている。当時、人口163人、総戸数56戸だった田染小崎地区が一つになり立ち上げたのが「荘園の里推進委員会」で、全世帯が加入している。
「荘園領主」になると特典として、減農薬栽培で育てた「荘園米」50キロが10月~翌年9月の間(5回まで分割可)で届く。また、ほたるの館「荘園領主芳名板」に1年間名前が掲示され、田染荘で開催する交流行事「御田植祭(6月)」「収穫祭(10月)」への参加できる。募集は140口で、会員費は3万3000円(送料込)。
さらに、荘園米を定期購入できる産直型会員もあり、「荘園米」60kg(10kg×6回)が定期的に届けられる。募集は50口で、年会費は2万4000円(送料別)。
申し込みは【豊後高田市公式HP】へ
(関連リンク)
【豊後国田染荘荘園の里公式サイト】
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