X線CTでポット植え作物の根を非破壊で可視化 農研機構2020年7月21日
農研機構とかずさDNA研究所は、X線CTを応用し土中の作物の根を非破壊で迅速・簡便に3次元的に可視化する技術を開発した。根の形は養水分の吸収効率に影響し、作物生産に大きく関わるため農業上重要。しかし、評価には多大な労力がかかるため、根の形の品種改良はほとんど進んでいなかった。今回、X線CT撮影条件と画像処理技術を最適化することにより、ポットに植えたイネの根を十数分で可視化することに成功した。これにより、根の形の品種改良をはじめ、根の生育診断による個々の農地に合った最適品種の選定など、農業分野での幅広い活用が期待できる。
(写真)X線CT装置の撮影の様子
見えない物体の中の構造を観察する手法の1つに、X線断層撮影(X線CT)があり、工業・医学の分野で幅広く使用されている。ポットで栽培した植物の土中の根についても、海外でX線CTを用いた可視化が試みられているが、詳細な画像を得るために数時間かかり多数個体の調査には適していなかった。また、長時間の撮影は植物体の生長に悪影響を与える弊害も残っていた。
今回、農研機構とかずさDNA研究所は最新のX線CTを導入し撮影と画像処理技術の最適化を行うことにより、土中で3次元的に生長する根の形を非破壊・迅速・簡便に可視化する技術を開発することに成功。
撮影と画像処理は12分で、最大で直径20cm・高さ25cmの栽培ポットに植えたイネの根を可視化できる。根の成長など経時変化も簡単に可視化でき、10分間の撮影(X線照射)を140回行っても植物体の生育に影響がないと推定される。
開発した技術で用いたX線CTは、使用に際し特別な資格を必要とせず、誰でも植物の根を観察することができる。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日
-
「JPFA植物工場国際シンポジウム」9月1、2日に開催 植物工場研究会2025年4月2日