農林水産大臣賞を受賞した公益財団法人とかち財団

イノベーションネットアワードは、各地域における新事業･新産業創出を目的とする地域の特性に応じた優れた地域産業支援の取組を評価し、地域産業の振興や活性化を喚起・促進することをめざし平成23年度に創設。平成28年度から､地域産業創出などの活動を主導し､地域の活性化に成果を上げている個人の表彰も始めた。

農業分野では、公益財団法人とかち財団が、「地域のものづくりを柱とする「とかち型ビジネス支援」プログラム」で農林水産大臣賞を受賞。十勝地域の基幹産業である「食」と「農」に特化した企業支援プログラムとして、（1）農業機械・食品製造機械等の開発支援、（2）食品の開発支援、（3）スタートアップ支援・起業家人材の育成という３つの支援プログラムを構築。専門スタッフが現場に入り、寄り添いながら新規事業化や起業に対するハンズオン支援を実施している。その結果、94件の新事業の創出や大手企業との共同プロジェクトなどにより、約480アイテムを商品化。過去10年で農業・食品加工機械で約20億円、加工食品で約40億円の売上増を実現した。

代表的な新事業としては、AIを活用して発情・疾病兆候など牛の活動情報を自動検知するクラウド牛群管理システムや、ウエアラブルデバイス等を開発し、これらを十勝地域をはじめとした国内外の酪農・畜産生産者に広く導入することにより、生産性向上や労働環境の改善に寄与している。

その他の今年度の受賞者は次の通り。

＜受賞プログラム･受賞者＞
◎経済産業大臣賞
・よい仕事おこしネットワーク【城南信用金庫】

◎文部科学大臣賞
・健康ビッグデータをハブに産学官金民の強固な連携で新産業創出をめざす弘前大学『寿命革命』プロジェクト【弘前大学ＣＯＩ研究推進機構（健康未来イノベーションセンター）】

◎農林水産大臣賞
･｢地域のものづくりを柱とする「とかち型ビジネス支援」プログラム｣【公益財団法人とかち財団】

◎全国イノベーション推進機関ネットワーク会長賞
｢光の応用産業を創出・発展させるための技術・経営一体型ハンズオン支援事業｣【学校法人光産業創成大学院大学】

◎一般財団法人日本立地センター理事長賞
｢高付加価値企業・産業の育成とオープンファクトリー開催による持続可能な産業形成｣【つやま産業支援センター】

◎優秀賞
｢周年マルチ点滴かん水同時施肥法（マルドリ方式）の開発および技術導入・運営支援による高収益カンキツ経営の実現｣【国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構】

｢産学連携による次世代スマート植物工場技術強化およびグローバル展開支援｣【特定非営利活動法人植物工場研究会】

｢デザイン視点での企業支援　ニイガタIDSデザインコンペティション、百年物語プロジェクト、Design LAB｣【公益財団法人にいがた産業創造機構】

◎全国イノベーション推進機関ネットワーク堀場雅夫賞
･牛来千鶴氏【株式会社ソアラサービス 代表取締役社長】

【受賞団体詳細】

＜第9回地域産業支援プログラム表彰事業(イノベーションネットアワード2020)表彰式＞

主催：一般財団法人日本立地センター､全国イノベーション推進機関ネットワーク
開催日：9月29日
会場：TKP御茶ノ水カンファレンスセンター(東京都千代田区神田駿河台4-3)
プログラム：15時～16時　表彰式