トビイロウンカ多発で「警報」 過去警報時の2倍以上 兵庫県2020年9月17日
兵庫県病害虫防除所は9月16日、県内全域におけるトビイロウンカの多発を受け、急いで防除を徹底することを促す「警報」を発信した。過去の警報時(平成26年)の2倍以上の発生が確認されている。
トビイロウンカによる坪枯れの前兆
きぬむすめやヒノヒカリ、山田錦など普通期栽培の水稲が対象作物で、9月9日、10日に防除員が35ほ場を調査した結果、それらすべてのほ場で発生を確認。8月中旬のほ場発生率(77%)をさらに上回り、一部のほ場では坪枯れもみられる状況にある。
払落し調査でも、一株当たりの成幼虫数5頭以上が基準になる「要防除密度」を超すほ場が37.1%(35ほ場分の13ほ場)に上り、平成26年に警報を発した際のほ場率(15%)の2倍以上となっている。坪枯れの前兆である黄化もみられるという。
要防除密度以下のほ場でも一株当たり1頭以上の成幼虫が確認され、「ほ場内で偏在して増殖することを考えると、収穫期までに多くのほ場で坪枯れが発生する可能性が高い」と指摘。
発生に好条件となる高い気温の状態が今後も続くと見込まれており、坪枯れの発生時期が早まる可能性も見込んでいる。県内全域でトビイロウンカがまんべんなく発生していることや、要防除密度をすでに超えているほ場が多数あることなどから、今後の坪枯れで減収被害を被るほ場が多くなると予想している。
これまで本田で防除を実施していないほ場では直ちに薬剤散布を行うこととし、黄化した箇所が見られた場合は速やかにその株元を観察し、本種の群棲が認められた場合は直ちに薬剤散布の実施などを求めた。
収穫期に近い散布となるため、使用する薬剤の収穫前日数を必ず確認することも要請している。
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