新たなうどんこ病菌が発生 長崎県2020年9月24日
長崎県病害虫防除所は9月18日、ブルーベリーの栽培ハウスで昨年見つかった新たな菌による症状が今年6月にも同じ場所で発見されたため、三重大学の研究室で種の同定を依頼中であると発表した。
![新たなうどんこ病菌](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous2009243101.jpg)
昨年6月、同防除所が県内の生産者から聞き取ったのをきっかけにブルーベリーの葉で見つかったのが、うどんこ病の代表的な菌・エリシフェ(Erysiphe sp.)。無加温のブルーベリー栽培ハウスの一部で葉の表裏に白色粉状の菌叢が見つかったもので、その後、同一ハウスで発生が拡大した。防除員が現地からの要請に基づいてほ場を確認すると、白色粉状の症状に加え、菌叢発生部分の黄化・褐変といった症状も見られ、農水省門司植物防疫所に分類上の所属が何であるか菌の同定を依頼した結果、「エリシフェ(Erysiphe sp.)」であることが確認された。
それから1年経った今年6月上旬にも同じほ場で同一の症状が確認されたため、病気に罹った葉を三重大学大学院生物資源学研究科・植物医学研究室により詳細な種の同定を依頼したもの。
菌による病状が発生したぶどうの品種はブライトウェルとパウダーブルーのブラッドアイ系ブルーベリー2品種だが、現時点で露地栽培のブルーベリーほ場での発生は確認されていない。日本植物病名データベースに未記載であるため「ブルーベリー類うどんこ病」と仮称している。
葉の表裏に生じた白粉粉状の菌叢が葉の大部分に広がったり、罹病葉が黄化・褐変したりする症状が確認される一方、枝や果実での発病は現時点で確認されていないという。
この病状に適用される薬剤はないため、罹病した葉はほ場外へ持ち出して地中に埋めるなど適正に処分することを求めている。
白色粉状の菌叢(葉裏)
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