「いちご」のハダニが多くなると予想 病害虫発生予報8号 農水省2020年10月8日
農林水産省は10月7日、今年度第8号となる病害虫発生予報を発表した。
気象庁が10月1日に発表した向こう1カ月予報によると、平均気温は全国的に高く、平均降水量は東日本太平洋側で平年並みまたは平年より少ないと予想されている。
野菜・花きでの発生予想を作物別・地域別にみると、「いちご」のハダニ類は中国、四国、北九州で多く、炭そ病も四国と北九州に東海を加えた3地域が多くなると予想している。やや多いと予想する地域は、ハダニ類は東海、炭そ病は南関東と近畿。
「トマト」は東海でコナジラミ類が多くなると予想し、関東、北陸、南九州でやや多いとみている。東海は葉かび病も多くなり、南東北と北関東はやや多いと予想している。
「ねぎ」は、アザミウマ類が北関東と北九州で多く、南関東と四国はやや多いとみている。
「大豆」の吸実性カメムシ類は、南関東、東海、近畿、四国、北九州の広範な地域でやや多く発生すると予想。
「作物共通」のシロイチモジヨトウやハスモンヨトウは広い地域で多く発生すると予想され、とくに後者は関東を除いた東北から北九州にわたる全域で多く発生することが予想されている。
果実・茶での発生は野菜・花きとくらべて少ないと予想しており、「かんきつ」のハダニ類や黒点病、そうか病は四国で多いと予想。「かき」の炭疽そ病は北陸で、「果樹共通」の果樹カメムシ類は北陸と東海で多く発生すると予想している。
「茶」は、南関東や東海、近畿でカンザワハダニが多くなり、南九州でやや多くなるとみている。
暖冬の影響で越冬量が多かったスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は今年、平年を超える量の発生が確認された。翌春の発生を抑えるためにも、収穫後には秋期の石灰窒素の散布や冬期の耕うんによる殺貝を実施するよう促している。冬期に水路の泥上げを行い、越冬個体を寒風にさらすと殺貝効果が期待できるため、地域での取り組みを検討するよう求めたほか、農機具に付着した泥とともにスクミリンゴガイが他のほ場へ拡散する事例が報告されているとして、農機具の泥をよく落としてから移動させることを心掛けるよう求めている。
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