大手米穀販売業者 コロナ影響で4.5万t減-農水省2020年10月16日
農林水産省はこのほど新型コロナウイルス感染症の広がりが米販売量にどう影響しているかを調査した。その結果、4.5万tの減少と推計した。
農林水産省は、毎月実施している「米穀販売事業者における精米販売動向調査」とは別に今回はコロナ禍の影響など、人口減少などによるトレンド要因以外の影響を把握するため、玄米の販売動向など調査内容を広げて実施した。
調査対象は年間仕入量5万t以上の販売事業者29社。卸売業者経由の販売数量に占めるシェアは約50%。29社の今年3月から8月の6か月間の販売先別の販売数量と価格を調べた。全体では▲5%となった。販売先別でみるととくに中食向けが▲22%と大きく、外食向けは▲16%減だった。
一方、巣ごもり需要で小売向け(家庭用)は7%増となった。小売向けは5月に▲5%となったが、6月にプラスに転じた。
販売価格はこの間、プラス1%と前年同期末とほぼ同水準となった。
調査対象29社の6か月間の販売数量は129万tで前年同期の135万tより6万t減少した。農水省によると、このうち毎年の人口減少等によるレンド要因による減少分は1.8万tであり、コロナ禍の影響と含む特別な要因による減少分は4.5万tと推計した。
29社が販売数量に占めるシェアは約50%。残り半分を占める中小業者も同程度の販売減少だと仮定すると全体で9万t程度がコロナ禍で減少したとも推計されるが、大手業者は需要が落ち込んだ業務向けが多いことから、農水省は単純な推計では過大になるとしている。
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