トマトで初めてキク茎えそウイルスの病害発生 宮城県2020年11月2日
宮城県病害虫防除所はトマト茎えそ病の発生を受け、10月30日に特殊報第2号を発表した。宮城県におけるキク茎えそウイルスの病害は今回で3件目となり、トマトでの発生は初となる。
左:茎および葉のえそ症状、右上:果実の着色異常とえそ症状、右下:ミカンキイロアザミウマ(成虫)
今年10月、宮城県内の施設栽培トマトにおいて、茎と葉のえそ症状や果実の着色異常などを示す株が発生。宮城県農業・園芸総合研究所でRTーPCR法による遺伝子診断を実施した結果、キク茎えそウイルス(chrysanthemum stem necrosis virus,CSNV)が検出され、トマト茎えそ病と確認された。
同県でのキク茎えそウイルスによる病害は平成20年にキク、同23年にトルコギキョウで確認されているが、トマトでの発生は初めて。なお、当該施設以外での発生は確認されていない。
病徴として、茎と葉にえそや退緑、輪紋、果実では着色異常やえそ、変形を生じ、株の生長点付近ではえそや萎縮、褐変などの症状がみられる。これらの症状は、トマト黄化えそウイルス(TSWV)による病徴と酷似しているため、識別は難しいとしている。
病原ウイルスはミカンキイロアザミウマにより媒介される。1齢幼虫が罹病植物を吸汁することでキク茎えそウイルスを獲得し、成虫が死ぬまでウイルスを伝搬する。経卵伝染、種子伝染、汁液伝染および土壌伝染はしないとされている。
これまでトマトのほか、ミニトマト、ピーマン、トウガラシ、キク、アスター、トルコギキョウへの感染が報告されている。
防除対策としては株を抜き取り、ほ場外に持ち出して焼却または埋設処分し、伝染源を除去する。
媒介虫のミカンキイロアザミウマ対策では、プリロッソ粒剤などの薬剤を使用した防除方法を紹介。このほか、施設の開口部に目合い0.4mm以下の防虫ネット(赤色)を設置して侵入を防ぎ、生息地となる施設内外の除草の徹底を促している。
栽培終了後は残さを速やかに除去するとともに、夏期間は施設を密閉し高温を保ち、ミカンキイロアザミウマを死滅させる。
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