県内で初めてナスコナカイガラムシを確認 和歌山県2020年11月13日
和歌山県農作物病害虫防除所はピーマンに県内で未確認のナスコナカイガラムシを確認し、11月12日に特殊報第2号を発表。ナスコナカイガラムシは寄生範囲が広く、雑草にも寄生する可能性があるため、施設内外の除草や対象薬剤の使用を呼びかけている。
![ナスコナカイガラムシ成虫および幼虫](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous20111336_1.jpg)
8月下旬、岩出市の施設栽培ピーマンにカイガラムシ類の成幼虫の寄生が確認された。成虫を採集し、農水省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、県内では未確認のナスコナカイガラムシであることが判明した。なお、県内の他のほ場では発生が確認されていない。
ナスコナカイガラムシは平成15年に高知県が国内初の発生を報告。その後、長崎県、愛知県、茨城県、奈良県、京都府、鹿児島県、岐阜県、岡山県、群馬県、長野県、佐賀県、千葉県、大分県、神奈川県、石川県の15府県で特殊報が発表されている。
成虫の体長は3~5mm、長楕円形でやや扁平。背面は白いロウ質の分泌物で覆われている。体周縁のロウ物質の突起は短く目立たないが18対ある。
この種は単為生殖を行い、雄は知られていない。卵胎生のため、雌成虫は直接産仔する。産仔数は200程度で3齢幼虫を経て成虫になる。
国内ではこれまで、ピーマン、ナス、キュウリ、パンジー等で発生を確認。海外ではナス科、キク科等の草本植物やミカン科等の木本植物での発生も確認されており、広食性とされる。
葉や茎に寄生し、多発すると果実にも寄生がみられる。成虫、幼虫の吸汁による生育阻害や、排せつ物に起因するすす病によって葉や果実の汚れが問題となっている。
防除対策では10月28日現在、ピーマンのコナカイガラムシ類を対象として、チアメトキサム顆粒水溶剤(商品名:アクタラ顆粒水溶剤)が登録されている。
薬剤は最新の登録情報((独)農林水産消費安全技術センターの農薬登録情報提供システム)を参照し、適正に使用するよう促している。
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