種苗法改正案が可決 農家負担増の回避を 適正な運用で附帯決議2020年11月18日
衆議院農林水産委員会は11月17日、日本で品種登録した農作物の品種の海外流出を防ぐための種苗法改正案を審議・可決した。改正種苗法によって、地域の伝統野菜や有機農産物を生産する農業者の負担増にならないよう、種苗の適正価格での安定供給、自家増殖の許諾手続きの適正な運用を求める附帯決議を採択した。
地域には独特の野菜が多い
附帯決議では、改正種苗法によって農業者が営農の継続に影響が及ばないよう求めた内容になっている。具体的には育成者権の強化が、農業者による登録品種の利用に支障をきたしたり、農産物生産を停滞させて食料の安定供給を脅かしたりしないように、「種苗が適正価格で安定的に供給されることを旨として施策を講じること」としている。
また、国や都道府県などの公的試験研究機関が育成した登録品種に関する通常の利用権の許諾については、その手続きが有機農業者を始め、農業者の負担になることのないよう、「適切に運用するため、公的試験研究機関に対してガイドラインを提示」するようにとしている。
さらに農業者が、育成者の許諾を得ずに自家増殖して不利益を被ることの無いよう、丁寧な説明を求めた。このほか、主要農作物種子法が廃止されたことで、各都道府県の試験研究機関による品種開発や在来品種の収集・保全事業がおろそかにならないよう、十分な財政支援を行うこと、としている。
種苗法改正によって、これまで農業者が行ってきた在来品種などの自家採種が自由にできなくなることを危惧して、改正に反対してきた新世紀JA研究会の八木岡努代表(日本の種子を守る会会長)は、「伝統野菜の自家増殖などで、農業者の負担増にならないようにという我々の主張の肝となる部分は組み入れられたと思うが、自家増殖に関し、具体的に品目ごとに許諾の有無を示して欲しかった。今後、附帯決議が守られるよう、改正種苗法の運用に注視していきたい」と述べた。
重要な記事
最新の記事
-
持続可能な食と農へ 農中と農研機構が協定2025年4月23日
-
将来受け手のない農地 約3割 地域計画で判明2025年4月23日
-
ふたつの「米騒動」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月23日
-
鳥インフル対策 大規模養鶏は分割管理を 農水省2025年4月23日
-
米の生産目安見直し 1.7万トン増産へ 北海道2025年4月23日
-
県内国公立大学の新入学生を秋田県産米「サキホコレ」で応援 JA全農あきた2025年4月23日
-
「岐阜えだまめ」の出荷始まる 初出荷は80kg、11月までに700t出荷へ JA全農ぎふ2025年4月23日
-
いわて純情米消費拡大月間がキックオフ JR盛岡駅前でおにぎり配布 JA全農いわて2025年4月23日
-
2025いわて純情むすめ大募集 純情産地いわての魅力を全国に伝える JA全農いわて2025年4月23日
-
【JA人事】JA常総ひかり(茨城県) 堤隆組合長を再任2025年4月23日
-
食べ物への愛と支える人々への感謝込め ニッポンエールからグミ、フルーツチョコ、ドライフルーツ詰め合わせ 全国農協食品株式会社2025年4月23日
-
カレー、ラーメンからスイーツまで 「鳥取の魅力」詰め合わせ JA鳥取中央会2025年4月23日
-
大自然から生まれたクリームチーズ 昔ながらの手作り飴に 蔵王酪農センター2025年4月23日
-
千葉県柏市「柏市公設市場」一般開放デー開催 市内JAが初出店2025年4月23日
-
新茶の季節に「お茶フェア」産地直送通販サイト「JAタウン」で初開催2025年4月23日
-
緑茶用品種「せいめい」全ゲノム配列を解読 多型情報解析を可能に 農研機構2025年4月23日
-
AIとIoT、新規センサを活用 スマート畜産排水処理技術を開発 農研機構2025年4月23日
-
「サツマイモ基腐病を防除する苗床の土壌還元消毒SOP」第2版を公開 農研機構2025年4月23日
-
第11回京都市場伊賀産肉牛枝肉研修会開く 伊賀産肉牛生産振興協議会2025年4月23日
-
充実の装備と使い勝手の良さで計量作業を効率化 農家向け計量器2機種を発売 サタケ2025年4月23日