オリーブに県内初の病害虫 静岡県2020年11月25日
静岡県病害虫防除所は、同県で初めてオリーブカタカイガラムシ(カタカイガラムシ科)の寄生を確認。これを受け、11月20日に特殊報第3号を発表した。
![未成熟成虫は背面に「工」字形の隆起がある](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous20112518_1.jpg)
9月下旬に静岡県東部地域のオリーブ生産者から、枝にカイガラムシ類が寄生しているとの報告があり、病害虫防除所が現地のほ場を調査。その結果、枝葉へのカイガラムシ類の寄生とこの種によって誘発されたすす病の発生を確認した。農水省名古屋植物防疫所清水支所に同定を依頼した結果、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)と診断された。静岡県中部・西部地域での発生実態調査では、生存虫は確認できなかったが、一部の苗で死亡虫を確認している。
![オリーブカタカイガラムシが寄生した枝](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous20112518_2.jpg)
この種は世界中の熱帯・亜熱帯地方に広く分布し、環境省の移入種(外来種)リストでは国内での定着が報告されている。加害植物はオリーブ、カンキツ類、ガジュマル、アボカド、グアバ、マンゴー、モクタチバナ、アカテツ、コーヒーノキなど様々な樹木類に寄生する。 雌成虫は体長が3~4mmで楕円形~円形で、未成熟成虫のうちは淡褐色の扁平で背面に「工」字形の隆起がある。成熟した成虫になると、半球状に膨らみ、著しく硬化して光沢を欠いた暗褐~紫黒色をしている。
![すす病が誘発された枝、葉、果実](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous20112518_3.jpg)
小笠原諸島や南西諸島では、野外で年に数世代を繰り返し、幼虫は周年発生するため、年間を通して幼虫~成虫が観察されている。一般的に単為生殖で、雌成虫は寄主に固着し卵を数百個産下する。
被害の特徴として、枝や葉に寄生し多発すると排泄液(甘露)で枝、葉、果実がべたついたり、すす病が誘発される。
現在、この種に対する登録農薬がないため、寄生された枝や葉は見つけ次第除去し処分する。 また、オリーブの苗を定植する場合は、この種の寄生に注意するよう呼びかけている。
重要な記事
最新の記事
-
米価 過去10年で最高値 60kg1万5865円 対前年比114%2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(2)DX戦略にも地域色拡充2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(3)JAは食・農の好循環先導を2024年7月17日
-
「小さな協同」実践 JA松本ハイランドの自己改革 新世紀JA研究会全国セミナー2024年7月17日
-
「きっトラ」と「もし寅」【小松泰信・地方の眼力】2024年7月17日
-
【訃報】生活クラブ生協連の加藤好一顧問が逝去2024年7月17日
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
唐沢農機サービス「夏の大展示会」開催 200台を超える農機具を展示2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
【役員人事】石巻埠頭サイロ(4月1日付)2024年7月17日
-
葉の光合成速度の低コスト・低労力・高速推定法を開発 農研機構2024年7月17日
-
表参道で佐賀県産「いちごさん」絶品ひんやりスイーツ「いちごさんどう2024夏 」開催2024年7月17日
-
長野県塩尻市と山口県岩国市の歴史的風致維持向上計画を認定 農水省など2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日