米の作付け転換へ 10a4万円の特別対策-農水省2020年12月15日
農林水産省は12月14日、過去最大規模となる6.7万haの主食用米からの作付け転換に2020(令和2)年度3次補正予算を確保し、輸出用米や麦・大豆などに10a4万円を交付するなどの特別対策を含む水田フル活用予算の全体像を示した。通常の水田活用の直接支払交付金単価は麦・大豆が3万5000円、輸出用米は2万円だが、それよりも高い単価で作付け転換を誘導する。
農水省は2021(令和3)年度当初予算で水田活用の直接支払交付金3050億円を要求するとともに、2020(令和2)年度補正予算で270億円以上を確保し約3400億円の過去最大規模の水田フル活用予算とする方針だ。
このうち270億円の補正予算を充てるのは「水田リノベーション事業」。今回の作付け転換を機に、輸出や実需ニーズに応えるための低コスト生産技術などの導入支援を行う。対象品目は輸出用米など新市場開拓米、加工用米、麦・大豆、野菜など高収益作物。助成単価は10a4万円。
生産者の取り組み要件は(1)早期の実需者との結びつき、(2)直播栽培や土壌分析、排水対策など低コスト生産技術の導入。こうした取り組みへの掛かり増し経費を支援する単価として設定した。ただ、生産者は特別対策と水田活用の直接支払交付金の重複はできない。
特別対策では実需への支援も行い、輸出向けパックご飯の製造ラインなどハード整備(20億円)や、麦・大豆の安定供給のための保管支援(10億円)も措置する。
また、当初予算で確保する水田活用の直接支払交付金も作付け転換拡大、いわゆる深掘りに対する支援を拡充する。
輸出米や加工用米、高収益作物(園芸作物など)と飼料用トウモロコシをさらに拡大する場合は10a3万円を3.5万円に引き上げる。加工・業務用野菜を定着促進する支援では同2万円を3万円×5年間とする。
また、高収益作物による畑地化の支援は同10.5万円を17.5万円に引き上げる。そのほか、都道府県が転換作物を生産する農業者を独自に支援する場合、国が10a5000円を上限に同額を支援する。
飼料用米については、標準単収以上の収量が確実だった農業者には、自然災害時でも生産コストを埋める支援水準として10a8万円とする。また、都道府県が支援を上乗せする場合は同額を国が支援する。
そのほか産地交付金のうち県が支援内容を設定する枠を原則として2割以上(現行は1.5割以上)に拡大する。
農水省はこれらの案を12月14日の自民党農業基本政策検討委員会に示した。小野寺委員長は「いかに現場で活用していくかが大事」として支援内容を生産者に周知し、過去最大規模の作付け転換への取り組みを進める必要があることを強調した。
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