直播栽培、効率施肥など低コスト生産が要件-水田リノベ事業2020年12月24日
農林水産省は令和2年度3次補正予算で確保した290億円で実施する水田リノベーション事業の採択要件を12月23日までに示した。対象品目について低コスト生産の取り組みメニューを示しており、そのうち3つ以上に取り組むことが要件となっている。
2021(令和3年)産では主食用米6.7万haの作付けを他作物に転換し、米の需給と価格の安定を図ることが求められている。この過去最大規模の作付け転換を後押しするための政策が水田リノベーション事業で10aあたり4万円を交付し支援する。
事業に取り組もうとする地域農業再生協議会は輸出や加工など、需要に応じた生産への取り組みの現状と今後の対応方針と目標を設定したプランを策定する必要がある。そのプランに農業者ごとに低コスト生産などの計画書を取りまとめて盛り込む。
地域協議会は事業実施主体である都道府県農業再生協議会にプランを提出し農水省が実施計画を承認、その後、交付金の申請と決定を行うというのが事業の流れだ。
対象となるほ場は水田活用の直接支払交付金の交付対象水田と同じ。ただ、水田リノベ事業を活用した場合は令和3年度予算による水田活用直接支払交付金の対象にはならない。
対象作物は新市場開拓米(輸出用米、輸出向けパックご飯の原料用米、輸出向け日本酒の原料用米など)、加工用米、麦、大豆、高収益作物(野菜・果樹等)となっている。高収益作物とは、輸出向け、または加工・業務用とし、令和3年度に水田活用の直接支払交付金の産地交付金で支援を予定している品目が対象。
採択要件となる低コスト生産の取り組みは、新市場開拓米と加工用米では▽直播栽培、▽疎植栽培、▽高密度播種育苗栽培、▽プール育苗、▽温湯種子消毒、▽作期分散、▽土壌診断等をふまえた施肥・土づくりなど15の取り組みがあり、このうち3つ以上を選択する。
麦は▽融雪促進剤の散布、▽難防除雑草対策、▽生育予測システムを活用した開花期・収穫期予想など10の取り組み。
大豆は▽大豆300A技術、▽新品種の導入、▽団地化の推進、▽排水対策など14の取り組み。
高収益作物は▽生物農薬の導入、▽農薬によらない病害虫対策、▽新品種の導入など11の取り組みがあがっている。このほか都道府県の再生協議会が品目ごとに地域特認メニューを設定することも可能としている。
農水省は低コスト生産の取り組みは、すでに実施していることでも要件とするとしているが、取り組み面積を拡大したり、新たな取り組みの実施を推奨する。
申請時期などについては来年1月以降に都道府県の再生協議会に2か月間の期間要望調査を行って決める。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日