ハクサイダニなど低温期の防除法を紹介 東京都2021年1月5日
東京都病害虫防除所は低温期に発生する病害虫防除方法をまとめ、1月の防除のポイントとして公表した。
主な病害虫の防除法は次のとおり。

〇ハクサイダニ
真冬に発生し近年被害が増加傾向にある。コマツナ、ホウレンソウ、シュンギクなど多くの作物を加害する。被害葉は銀白色し、さらに被害が進むと枯死する。
胴長は0.8mmで色は黒色、脚は赤色と派手なため非常に目立つ形態をしている。行動は素早く、葉裏で見つけてもすぐに隠れてしまうため、発見が遅れるケースが多い。春から秋に休眠卵の状態で経過した卵が10月頃に孵化し、加害を開始。3月以降に産卵される卵は休眠卵となるため、被害は5月初め頃に終息する。
被害株は餌となり、卵が多く産み付けられているため、発見次第早期に抜き取るよう注意を促している。
被害の多かったほ場には土壌中に多くの卵が残り、翌年の発生源となる。そのため、盛夏期に1カ月程度、土壌の太陽熱処理を行うことで、この種の発生が抑制されるとの報告もある。薬剤防除をする場合は、防除指針を参考にするよう促している。
〇クローバーハダニ(クローバービラハダニ)
コマツナやホウレンソウの葉の表面に線状の白い斑点があり、素早く動く赤黒いダニを確認した場合、この種の被害と考えられる。冬季は無農薬栽培の施設で多く発見される。ほとんどの場合、防除の必要はないが、薬剤防除をする場合はハダニ類に登録のある農薬が使用できる。
〇ヤサイゾウムシ
10月頃からハクサイ、コマツナ、カブなどで発生する。12月の巡回調査では、コマツナで発生を確認している。過去に八丈島でセルリーの被害が報告されており注意を促している。

〇べと病
【アブラナ科野菜】
11~3月にかけて、施設栽培やトンネル栽培のコマツナやカブなどに発生する。主な病徴は、葉への淡褐色の不定形~多角形病斑形成と黄化だが、カブに発生した場合は、根内部に小黒点が発生することがある。
作物が長時間ぬれた状態になっていると急速に拡大し、防除が難しくなる。そのため、換気や除湿などを行い、作物体周囲の湿度をできるだけ低く保つよう心がける。

〇灰色かび病
【施設野菜および花き類】
巡回調査では施設栽培のトマト、花き類などで灰色かび病の発生が確認されている。病原菌は多くの作物に寄生するが、特にこれからの時期は加湿環境になりやすい施設栽培で発生が多くなるため、注意を呼びかけている。
作物が長時間ぬれている状態の場合は換気、循環扇、暖房などで除湿を行う。また、葉が繁茂していると湿度が高くなるだけでなく、薬剤もかかりにくいため、適度な葉かきを行うよう促している。
灰色かび病が多発すると防除が難しくなるため、発生を確認した場合は被害部位を除去し、系統の異なる薬剤のローテーション散布を心がける。薬剤散布は暖かい晴天日を選び、夕方までに薬液が乾く時間帯に実施するよう呼びかけている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日