ローズマリーにヨコバイ科の一種を初確認 静岡県2021年1月19日
静岡県病害虫防除所はローズマリーにヨコバイ科の一種 Eupteryx decemnotata(Rey)(和名なし)を県内で初めて確認。これを受け、1月18日に特殊報第6号を発表した。
12月に県西部地域のローズマリーに、葉にかすり状の小斑点の被害とヨコバイ類の寄生が確認された。現地で採集した個体を農水省名古屋植物防疫所清水支所に同定を依頼したところ、Eupteryx decemnotata (Rey)(ヨコバイ科ヒメヨコバイ亜科)と同定された。
この種はヨーロッパ原産で、これまでイタリア、フランス、ドイツ、ポルトガル、スイス、 オースト リア、スロベニア、ギリシャ、イギリス、アメリカ合衆国で発生が確認されている。日本では2016年に千葉県で初めて発生が確認され 、その後、神奈川県、大分県、 大阪府、京都府、愛知県、東京都で発生している。
成虫の体長は2.2~3.0mmで細長く、体色は黄緑色をしている。頭部には10個の黒色斑紋を備え、前翅には褐色で縁取られた斑紋が多数ある。日本国内での生態は不明。ヨーロッパでは卵越冬し、6~10月にかけて成虫が発生し、最低でも年2世代が発生する。発育期間(卵~成虫の期間)は20℃条件下で約40日、1頭の雌は1日あたり2~4個の卵を3週間以上産み続ける。また、施設内では冬期も発生がみられる。
寄主植物はシソ科で、海外ではローズマリーのほかにイヌハッカ、オレガノ、セージ、タイム、バジル、ペパーミント、マジョラム、ミント、レモンバーム等への寄生が確認されている。ローズマリーでは、この種の吸汁で葉表にかすり状の小斑点が生じる。被害が進むと葉が黄化し最終的に落葉する。
2021年1月現在、この種に使用可能な登録農薬はない。防除対策では防虫ネットで侵入を防ぎ、被害が大きい株は抜き取り処分するよう促している。
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