米のJAS規格の制定へ-農水省2021年1月22日
農林水産省は1月20日に開いた農産物規格・米穀の取引に関する検討会に機械鑑定を前提とした農産物検査規格の策定と、JAS規格の制定などの考え方を提案した。
検討会ではこれまで米の検査で穀粒判別器の活用とその課題を議論してきたが、農水省は現行の規格とは別に「機械鑑定を前提とした農産物検査規格」を策定する方針を示した。新たなに策定する機械鑑定を前提とした規格は、現行の規格と同列とする。
検査の結果は等級区分ではなく、規格項目の測定結果を数値で示すことを基本とする。規格項目は①容積重、②水分、③白未熟粒、④死米、⑤着色粒、⑥胴割粒、⑦砕粒、⑧異種穀粒、⑨異物。機械測定が困難な規格項目は目視鑑定も行う。検査は民間の体制が整うまでの3~5年程度は国が行う方針だ。
技術的な検討を行うチームを設置し令和3年内に整理を進め、農産物規格規程などの改正を行う。農水省は令和5年産米からの適用をめざす。
また、穀粒判別器のデータを活用して、生産から消費までの情報を連携させて、生産の高度化や販売面での付加価値向上、流通の最適化につながるスマートフードチェーンを米の分野で構築する。それを活用した民間主導のJAS規格の制定を農水省が支援する。
これらを実現するため生産者、流通事業者、実需者、消費者など幅広い関係者が参加するコンソーシアム(共同事業体)を設置する。
JAS規格については、タンパク含量など食味に関連する情報や、低価格大ロットの輸出米、高品質輸出向け米など輸出拡大につながる規格設定も念頭に置き、検討の過程では海外の規格や輸出国の消費者ニーズなどの海外調査も行う。
また、このJAS規格は、第3者認証を要件とするものは重要な項目に限定し、チェックリストで確認できるなど柔軟性を持たせることや、生産者、流通事業者、卸といったグループで一括して取得することができるように設計する方針も示した。令和5年産米からの実現をめざす。
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