厳寒期にジャンボタニシの防除対策を 香川県2021年1月28日
香川県農業試験場病害虫防除所は1月27日、冬期のジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の防除対策をまとめ発表した。厳寒期(1月~2月)の防除でスクミリンゴガイの越冬量を減らし、来春以降の被害軽減を図るよう呼びかけている。
![土中で越冬中のスクミリンゴガイ](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous21012826_1.jpg)
スクミリンゴガイの発生地域は、前回調査を実施した2014年と比べ拡大がみられ、直近では県内平野部の広い地域で発生や被害が確認されているという。令和2年産水稲では、冬期の気温が高く推移したことから、被害が多発したほ場がみられた。近年の暖冬傾向で、スクミリンゴガイの越冬個体数は多くなっていると推察され、例年被害の見られるほ場では冬期の防除対策が重要となる。厳寒期の防除対策は次のとおり。
〇冬期の耕うん
・土壌が乾燥し田面が固い厳寒期に耕うんし、ほ場内の貝を物理的に破壊するとともに、寒さにさらすことで貝の越冬率を下げる。耕うんは走行速度を遅くし、ロータリーの回転数を上げ、土壌を細かく砕くように行う。貝の多くは深さ6cm以内の土中で越冬するため、耕うん深度は6cm程度を目安とする。
・耕うん後はトラクターをよく洗い、未発生ほ場への貝の持ち込みを防ぐ。
〇用排水路の落水、溝さらい
・水の中は温度が下がりにくく貝が越冬しやすいため、用排水路を使用しない時期には落水し、越冬率を低下させる。
・多発生の地域では、用排水路内に堆積した泥の中で越冬する貝を死滅させるため、厳寒期に溝さらいを水系単位で組織的に行うことで、より効果を得ることができるとしている。
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