菌核病など冬期防除策を紹介 東京都2021年1月29日
東京都病害虫防除所は、1月~3月にかけて発生が多くなる菌核病などの防除対策を2月の防除のポイントとしてまとめ、1月28日に公表した。
菌核病で腐敗したキャベツ
主な病害虫の防除法は次のとおり。
〈育苗期の育苗期の病害虫対策〉
施設内の雑草にはハダニ類、アザミウマ類、コナジラミ類など多くの微小害虫が越冬しているため、育苗は雑草の無い施設で行う。気温の上昇とともにアブラムシの飛来が始まるが、害虫の飛来を見張るには黄色粘着トラップが有効とされ、アブラムシ類やアザミウマ類、コナジラミ類などの発生状況を確認することができる。
また、育苗施設内や育苗土の湿度が上昇すると、苗立枯病などの病害が発生しやすくなる。そのため、かん水は天気の良い午前中に行い、夕方までに茎葉の水滴が乾くようにするとともに、施設内の湿度を下げるため、必要に応じた換気を促している。
〈野菜類〉
〇ハダニ類(カンザワハダニ、ナミハダニ等)
1月の巡回調査では、施設栽培のイチゴで発生を確認している。ハダニ類は多発してからの防除が困難なため、発生状況を把握し適切な対策が必要となる。ハダニ類はほ場内でスポット的に発生し、そこから広がる傾向があることから、発生地点に目印を立て経過を観察することで、散布剤の効果を確認できる。殺ダニ剤の多くは葉裏までしっかり噴霧することで効果を発揮するため、葉の整理を行った時が防除適期となる。天敵に影響が少ない剤を選択し、防除に努めるよう促している。
〇灰色かび病
12月頃から発生を確認し、1月の巡回調査では施設栽培の花き類で被害がみられた。この病は施設内の過湿で発生が助長するため、換気扇(循換扇)や温風暖房機を活用するなど、湿度を下げる換気管理作業を行う。発生を確認した場合は防除指針を参考に薬剤を散布する。なお、この病は耐性菌が発生しやすいため、系統の異なる薬剤をローテーション散布するよう心がける。
〇うどんこ病
ここ数年、作型に関係なく栽培の中~後期にこの病の多発しているほ場が多くみられる。多発すると防除が困難となり、収量の低下を招くため発生を確認した場合、防除指針を参考に薬剤散布を行う。また、茎葉の過繁茂や肥料切れなども発生を助長するため、適切な栽培管理を呼びかけている。
〇菌核病
気温が20℃前後の多湿条件下で被害が拡大しやすく、露地栽培で多く発生するが、施設栽培でも1~3月にかけて発生が多くなる傾向にある。作物が長時間濡れた状態にあると急速に拡大し、防除が難しくなるため換気や除湿等を行い、施設内の湿度をできるだけ低く保つよう注意を促している。防除対策では、菌核を形成する前に発病株を施設から外に持ち出すなど適切に処分し、防除指針を参考に薬剤散布する。
また、露地では栽培終了後に放置されたキャベツやハクサイの残渣にも、ネズミの糞状の菌核を確認している。このような残渣は次年度の発生の原因となるため、速やかにほ場から持ち出し、焼却するか土中深くに埋めるよう注意を促している。
重要な記事
最新の記事
-
5年ぶりの収穫祭 家族連れでにぎわう 日本農業実践学園2024年11月25日
-
鳥インフル 米イリノイ州、ハワイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月25日
-
「JA集出荷システム」と生産者向け栽培管理アプリ 「AGRIHUB」をシステムで連携 農業デジタルプラットフォームの構築目指す JA全農2024年11月25日
-
卓球世界ユース選手権 日本代表を「ニッポンの食」でサポート JA全農2024年11月25日
-
佐賀県産「和牛とお米のフェア」みのる食堂三越銀座店で開催 JA全農2024年11月25日
-
JA全農×農林中金「酪農・和牛の魅力発信にっぽん応援マルシェ」新宿ルミネで開催2024年11月25日
-
EXILE NESMITH監修 くまもと黒毛和牛『和王』の特別メニュー提供 JA全農2024年11月25日
-
「第1回全国冷凍野菜アワード」最高金賞のJAめむろなど表彰2024年11月25日
-
「熊本県産和牛とお米のフェア」大阪の直営3店舗で12月1日から開催 JA全農2024年11月25日
-
都市農業・農地の現状と課題 練馬の野菜農家を学生が現地調査 成蹊大学2024年11月25日
-
食育イベント「つながる~Farm to Table~」に協賛 JQA2024年11月25日
-
薩州開拓農協と協業 畜産ICT活用で経営の可視化・営農指導の高度化へ デザミス2024年11月25日
-
「ノウフクの日」制定記念イベント 東京・渋谷で開催 日本農福連携協会2024年11月25日
-
省スペースで「豆苗」再生栽培「突っ張り棒」とコラボ商品発売 村上農園2024年11月25日
-
在ベトナム農業資材販売会社へ出資 住商アグロインターナショナル2024年11月25日
-
楽粒の省力検証 水稲除草剤の散布時間の比較 最大83%の時間削減も 北興化学工業2024年11月25日
-
【人事異動】北興化学工業株式会社(12月1日付)2024年11月25日
-
幼稚園・保育園など996施設に「よみきかせ絵本」寄贈 コープみらい2024年11月25日
-
平田牧場×福光屋 幻の豚「金華豚」と大吟醸酒粕の味噌漬を新発売2024年11月25日
-
生活クラブの宅配サービス「シンプルスタイル大賞2024」SDGs部門で特別賞2024年11月25日