農業のデジタル化 農村全体で取り組み必要-農水省が検討会2021年2月5日
昨年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では、デジタル技術を活用したさまざまなプロジェクトを「農業DX構想(仮称)」として取りまとめることが盛り込まれている。著しく発展するデジタル技術を活用した経営によって、消費者ニーズに的確に対応した価値を創造し提供する農業へ変革することが当初の狙いだったが、コロナ禍で生まれてきたデジタル社会実現に向けた大きな流れもふまえて3月下旬に構想を取りまとめる総研。そのため有識者から意見を聞く検討会を設置し1月27日に第1回会合を開いた。

農業DX(デジタルトランスフォーメーション)構想検討会は食料・農弘業・農村政策審議会の委員も務める三輪泰史・日本総研創発戦略センターエクスパートが座長に選任され、中谷朋昭東大大学院農学生命科学研究科准教授が座長代理に指名された。委員は審議会企画部会長の大橋弘東大公共政策大学院院長や、JAグループ全国8連で設立した(一社)AgVenture Labの荻野浩輝代表理事も務める。
検討会では農水省が農業におけるデジタル技術活用の現状と課題を説明した。スマート農機などは実証段階にあるものが少なくなく、社会実装の加速化が急務であることや、そのために通信環境の整備が必要となっていることなどが指摘された。また、物流や取引き情報などへのデジタル技術の活用や、農地情報の管理など行政事務の手続きでもデジタル化を進める必要性がある。
そのうえで議論に求める論点として▽農業DX構想策定の前提として念頭におくべきデジタルトランスフォーメーションの特質、潮流な何か、▽農業・食関連産業のDXを進める有効なデジタル技術は何か、▽コロナ禍をはじめとする社会的インパクトのなかで農業・食関連産業に大きな影響を及ぼすのは何かなどを示した。
委員からは「DXの取り組みを拡大するにはデジタル技術のプラスの効果や便利さが農業者や国民に伝わるようにし、自分もやってみようという気持ちになってもらうことが必要で、広報の工夫が不可欠だ」、「デジタル技術の普及には、触って使って実感してもらうプロセスをいかに速く回していくかが重要。うまくいった事例や失敗事例を紹介することで経営面での新技術導入の判断に活かすことが可能となる」などの意見が出た。
また、「分散錯圃の地域ではスマート農業の普及が難しく、農業者がデジタル技術に関心を持たないケースも多い。スケールメリットが発揮できるよう農村全体として取り組む観点も必要だ」、「地方の通信環境の整備も併せて検討することが必要」「DXの取り組みを検討するにあたっては、農業者の苦労を的確に把握することが不可欠」との指摘もあった。
そのほか「フードチェーン全体のDXは中間コストの低減を通じた農業者の所得向上に不可欠。食料の安定供給が確実に担保されるよう、DXに内在する脆弱性も含めて検討すべき」、「需要と供給に関する情報が把握できていないために生産と消費のミスマッチが発生しており、情報の把握が可能となるよう、データのコード体系の整備が必要だ」などの意見も出された。
引き続き幅広い議論を行い、3月中旬には構想の骨子案をまとめ下旬にはとりまとめて公表する予定となっている。
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