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世界農業遺産 3地域を認定申請-農水省2021年2月25日

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農林水産省は2月19日に令和2年度の世界農業遺産の認定申請地域を決定した。今後、FAO(国連食糧農業機関)に申請し審査を受けることになる。

世界農業遺産は、世界的に重要で伝統的な農林水産業を営む地域をFAOが認定する制度で世界22か国の62地域、日本では11地域が認定されている。
農林水産省は1月27日に開いた専門家会議の評価結果をふまえて3地域の認定申請を決めた。

山形県最上川流域は「最上川流域の紅花システム~歴史と伝統がつなぐ山形の最上紅花」を申請する。染料利用を目的とした紅花生産と染色用素材の「紅餅」への加工技術が約450年にわたり一体的に受け継がれてきた世界的にも珍しい農業システム。

最上川流域の紅花システム

埼玉県武蔵野地域は「大都市近郊に今も息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法」を申請する。水が乏しく栄養分が少ない土地に平地に林を作り出し、落ち葉を集めて堆肥とする伝統的な「落ち葉堆肥農法」を確立し、特徴的な景観と生物多様性を育んできた。大都市近郊にも関わらず現在まで受け継がれてきた。

大都市近郊に今も息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法

島根県奥出雲地域は「たたら製鉄が生んだ奥出雲の資源循環型農業」を申請する。鉱山跡地を棚田に再生し、採掘のために導いた水路やため池を再利用するなど、独自の土地利用により稲作や畜産を中心とした複合的な農業が営まれてきた。

たたら製鉄が生んだ奥出雲の資源循環型農業

これらの3地域はすでに日本農業遺産に認定されている。

農水省は同日、令和2年度に日本農業遺産に認定する7地域も決定した。3月17日に農林水産省で認定証授与式を行う予定となっている。7地域は以下のとおり。

▽富山県氷見地域「氷見の持続可能な定置網漁業」

▽兵庫県丹波篠山地域「丹波篠山の黒大豆栽培~ムラが支える優良種子と家族農業」

▽兵庫県南あわじ地域「南あわじにおける水稲・たまねぎ・畜産の生産循環システム」

▽和歌山県高野・花園・清水地域「聖地 高野山と有田川上流域を結ぶ持続的農林業システム」

▽和歌山県有田地域「みかん栽培の礎を築いた有田みかんシステム」

▽宮崎県日南市「造船材を産出した飫肥林業と結びつく日南かつお一本釣り漁業」

▽宮崎県田野・清武地域「宮崎の太陽と風が育む干し野菜と露地畑作の高度利用システム」。

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