ファイトプラズマによるトマト萎黄病を初確認 愛媛県2021年3月2日
愛媛県病害虫防除所は2月26日、県内初のファイトプラズマによるトマト萎黄病の発生を確認し、病害虫防除技術情報第6号を発令した。
新葉の叢生症状
10月に伊予市の促成栽培のミニトマトで、萎黄叢生症状を示す株を確認した。その株をウイルスおよびファイトプラズマによるものと推定し、神戸植物防疫所に同定を依頼した結果、病原菌のCandidatus Phytoplasma asterisによる感染が確認され、トマト萎黄病と同定された。
![脇芽の黄化症状](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous21030223_2.jpg)
ファイトプラズマによる県内の発生事例はこれまでリンドウてんぐ巣病、レタス萎黄病、アネモネてんぐ巣病を確認しているが、トマトでの発生は県内で初確認となる。診断サンプル採取時の施設内での発生は1株のみで、その後ほ場内で新たな発生は確認されていない。
ファイトプラズマは師管組織に局在し、葉の黄化や萎縮、叢生症状を引き起こす。この病はヒメフタテンヨコバイで媒介され、宿主植物としてナデシコ、レタス、タマネギ、ネギ、ホウレンソウ、ナス、トマト、ニンジンなど、これまで13種32科で発病が報告されている。
防除対策では、発病株の早期発見に努め、感染が疑われる株は直ちに処分する。近年では県内において、媒介者のヨコバイ類の発生が少ないことから、この虫に対する新たな防除対応は必要ないとの考えを示している。
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