タマネギべと病多発で注意報 山口県2021年3月2日
山口県病害虫防除所は県内全域のほ場でタマネギべと病の発生が多発していることから、病害虫発生予察注意報第6号を2月26日に発表した。発生ほ場率、発病株率ともに、この病が多発した2016年と同等の発生量であることから、防除の徹底を呼びかけている。
越年罹病株
2月下旬に県内27ほ場を巡回調査した結果、発生ほ場率は11.1%(平年2.1%)、発病株率は1.0%(平年0.3%)でどちらも平年に比べ多いことが確認された。また、同時期に128ほ場で実施した県内一斉調査(1a当たりの越年罹病株数調査)では、発生ほ場率13.3%、1a当たり発病株数1.4株で例年3月中旬に行う県内一斉調査の結果と比較して、過去10年で3番目に高い値となっている。
2月25日に福岡管区気象台から発表された1カ月予報では、3月は気温が高く降水量も平年並か多い予想され、この病に好適な環境となることから感染の拡大に注意を促している。
![二次感染の病斑](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous21030224_2.jpg)
防除対策が次のとおり。
○ほ場をよく観察し、越年罹病株や症状の激しい二次感染株は直ちに抜き取る。抜き取った株はほ場外に持ち出し、ビニール袋などに密閉するか、土中に埋めるなど適切に処分する。
○株の抜き取り後は治療効果のある薬剤で直ちに防除を行う。発病株が確認されなかった場合は、マンゼブ剤やフルアジナム水和剤などの保護殺菌剤を散布する。
○防除は天候を考慮しながら、7~10日間隔で実施する。
○畝間に滞水しないよう排水対策を実施する。
この病に登録のある薬剤は混合剤が多いことから、一般名の成分や殺菌剤コードを確認し、同一成分の使用回数に注意する。薬剤の付着をよくするため、水和剤には展着剤を加用し、十分な散布液量で行う。薬剤防除を行う場合は、周辺の作物に農薬が飛散しないように注意を呼びかけている。
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