春季防除でモモせん孔細菌病の軽減へ 山梨県2021年3月3日
山梨県病害虫防除所は3月1日、モモせん孔細菌病の春季防除をまとめた病害虫防除所情報第8号を発表した。
芽枯れ・枝枯れ
8月に調査を実施した35ほ場全てで、モモせん孔細菌病発病葉を確認。うち3ほ場(ほ場率8.6%)では、甚発生(発病葉率51%以上)だった。昨秋は台風の接近などに伴う暴風雨の影響を受けなかったものの、降水量が平年に比べ多く推移したことから、病原細菌の越冬量も多いと予想している。担当者は「10月の甲府市の降水量は平年比183%で、この病は累積降水量が多いほど発病果実が多発する傾向にある」と話し、昨年被害が少なかった地域にも春期防除の徹底を呼びかけた。
越冬した病原細菌は、気温の上昇に伴い増殖する。感染すると芽枯れや枝枯れ、春型枝病斑を発症し葉や幼果の伝染源となる。春型枝病斑は開花期頃から発生し、落花期頃に目立つようになる。病原細菌は風雨で伝染するため、降雨の前に対策を実施するよう注意を促している。
![春型枝病斑](https://www.jacom.or.jp/nousei/images/nous21030322_2.jpg)
耕種的防除では芽枯れや枝枯れ、春型枝病斑のある枝は見つけ次第、できるだけ基部から取り除く。剪除は樹冠上部から順に行い、早期発見に努める。薬剤防除では、越冬した病原細菌の増殖や伝染を防ぐため、花弁が見え始める3月中下旬にかけて、ボルドー剤による防除を実施するよう呼びかけている。
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