イチゴにチバクロバネキノコバエを初確認 秋田県2021年3月18日
秋田県病害虫防除所はイチゴに県内で未確認のチバクロバネキノコバエの発生を確認。3月16日に特殊報第4号を発表した。
2月上旬に県南部のいちごほ場(高設栽培)で生育不良株が認められ、葉縁部やクラウン、根の褐変およびクラウンを加害しているハエ目幼虫が確認された。発生ほ場から成虫を採取し、農水省横浜植物防疫所に同定を依頼した結果、秋田県のイチゴで被害が未確認だったチバクロバネキノコバエと判明した。
チバクロバネキノコバエによるイチゴへの被害はこれまで三重県、長野県、長崎県、佐賀県、茨城県、鹿児島県、福島県の7県で報告され、特殊報として発表している。寄主範囲はいちご、きゅうり、すいか、ねぎ、メロン、しいたけ、テッポウユリ、トルコギキョウ、リンドウなど多くの作物に寄生することが確認されている。
この種はハエ目クロバネキノコバエ科の昆虫で、体長は雌成虫が1.9~2.3mm、雄成虫が1.8~2.1mm、頭部は黒色、胸部と腹部は暗褐色、翅は褐色を帯びた透明。老齢幼虫の体長は約4mmで、頭部は光沢のある黒色、体は白色を帯びた透明をしている。
成虫は未熟な堆肥などの有機物に誘引され産卵する。孵化した幼虫はこれを餌とし、大量発生した幼虫が作物の地際部や地下部を主に加害する。いちごでは花房や葉への加害も報告されている。この種は20~25℃では約15日で1世代を経過し、施設栽培ハウスなどでは周年発生する。
なお、従来チビクロバネキノコバエ(B.agrestis)およびチバクロバネキノコバエ(B.difformis)とされていたものは、最近の分類学的研究によりBradysia impatiens Johannsen(和名:チバクロバネキノコバエ)に整理された。
防除対策は次のとおり。
○未熟な堆肥を施用すると成虫を誘引し産卵を促すため、完熟堆肥を施用する。有機物を含む基肥を施用する場合は十分に土壌混和する。
○ほ場周辺部に古株などの植物残さや堆肥舎がある場合はこの種の発生源になりやすいため、周辺の衛生に留意する。
○多湿条件で発生が多いため適正な水分管理に努める。
○幼虫の寄生を確認した花房や葉、萎れなどの被害が見られる株は除去し適切に処分する。
○被害が認められる場合はイチゴのクロバネキノコバエ類またはチビクロバネキノコバエに適用のある薬剤で防除する。なお、薬剤防除の際は蜜蜂などの有用昆虫への影響に注意する。
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