ネギアザミウマの多発で県下全域に注意報 香川県2021年4月8日
香川県農業試験場は県下全域のネギ、タマネギ、ニンニク、施設栽培野菜・花き類で、ネギアザミウマが多発していることを受け、4月7日に病害虫発生予察注意報第1号を発表した。
ネギアザミウマ成虫(左)、青ネギのネギアザミウマの被害
一般ほ場での3月下旬の早生タマネギ、中晩生タマネギ、ニンニクネギアザミウマ発生量、寄生虫数(10株あたり)で、いずれも平均値を大きく上回った。
中でも早生タマネギのネギアザミウマの発生ほ場率は100%(平年値81.5%)、寄生虫数/10株(頭)は240.5頭(平均値44.6頭)と高い傾向が続いている。
香川県農業試験場の担当者は、「この虫が多発しているタマネギなどでは、倒伏や収穫に伴い周辺作物への飛来が増加するおそれがある」と話し、特にタマネギの育成が前進しており、周辺作物への飛来時期も早まる可能性があるとしている。また、4月は気温が高く、降水量は平年並みと予想されており、ネギアザミウマの発生が増加するおそれがあるため、防除の徹底を呼びかけている。
防除対策は次のとおり。
(1)野菜類・花き類では、ネギアザミウマの吸汁でウイルス病(ネギえそ条斑病等)が媒介される場合や、食害痕から病原菌が侵入する場合がある。食害が認められる場合は早期に防除を行う。
(2)施設栽培では、青色または黄色粘着トラップなどで発生状況を確認し、発生が多いほ場では防除を行う。ネギでは、葉にわずかなカスリ状の食害痕が見られる場合、アスパラガスでは、ほ場内の数か所で成茎の擬葉が繁茂しているところを手で払い、10×20㎝程度の板上に1か所当たり1~5頭の成虫を確認した場合は防除する。
(3)防除後も表土中の蛹や葉肉内の卵により新たに羽化、孵化する場合もある。そのため、多発ほ場では7~10日間隔で防除を行う。
(4)露地栽培ではシルバーマルチ、施設栽培では目合が1mm以下のネット被覆し、周囲に乱反射シートを敷設することで飛び込み量を減らすことができる。
(5)周辺作物への飛来を防ぐため、ほ場内とほ場周辺の除草に努める。
(6)防除薬剤は香川県主要病害虫・雑草防除指針、防除暦などを参考に選定する。抵抗性の発達回避のため、同一系統の薬剤を連用しない。
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