小麦粉のうどんこ病、赤さび病多発で注意報 静岡県2021年4月22日
静岡県病害虫防除所は4月21日、小麦のうどんこ病、赤さび病が多発していることから、病害虫発生予察注意報第1号を発表。両病害とも多発すると、収量・品質が低下するため、4~5月の防除の徹底を呼びかけている。
コムギ赤さび病の被害の様子
4月中旬に行った小麦の巡回調査では、うどんこ病の発病株率は54.8%(平年5.5%)、発生面積率は100%(平年18%)で調査ほ場全てで発生が確認された。また、赤さび病の発病株率は17.2%(平年0.2%)、発生面積率は60%(平年5%)で平年を大きく上回った。
コムギうどんこ病の被害の様子
両病害とも暖冬で春先に雨が多いと多発する傾向がみられる。気象庁の1か月予報(4月17日~5月16日)によると、降水量は平年より少なく、気温は平年より高いため、両病害の発生を助長すると考えられる。そのため、次の防除対策を促している。
〈防除方法〉
○発生を確認した場合、速やかに薬剤防除を実施する。
○両病害とも下位葉から上位葉に向けて進展するため、株元まで薬剤が届くように散布する。
○うどんこ病の第一次伝染源は、前年の被害残渣で越冬した病原菌であるため、前年多発したほ場では特に発生に注意する。
○赤さび病の第一次伝染源は、前年作で脱粒し、ほ場に落下した穀粒に感染して越夏した病原菌であるため、前年に発病が確認されたほ場では特に発生に注意する。
○同県の奨励品種である「きぬあかり」はうどんこ病に弱く、また「イワイノダイチ」「農林61号」に比べ赤さび病も発生しやすい。そのため、発生に注意し、防除を徹底する。
○薬剤等の詳細については静岡県農薬安全使用指針・農作物病害虫防除基準を確認する。また、不明な点は病害虫防除所、農林事務所等指導機関に問い合わせる。
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