世界の穀物生産量 消費量を下回る見込み-米農務省予測2021年4月27日
米国農務省(USDA)が4月に発表した2020/21年度の世界の穀物全体の需給見通しによると、消費量が生産量を上回る見込みとなった。
生産量は27億2665万tで対前年比2.0%増と上方修正したが、一方、消費量は同2.9%増の27億4925万tとなり、生産量を消費量を下回る見込みとなった。
期末在庫率は28.7%で対前年差で1.7ポイント減となった。
世界の穀物消費量は、途上国の人口増加と所得水準の向上などで増加傾向で推移している。20/21年度は20年前の00/01年に比べて1.5倍の水準に増えている。生産量は単収の伸びで消費の増加に応えてきた。
期末在庫率は前年より低下する見込みだが、米国の高温乾燥で不作となった2012年~13年にかけての価格高騰時の期末在庫率21.0%を上回る見込みとなっている。
【おもな品目の動向】
小麦の生産量は7.7億tで対前年比1.7%増で史上最高となる見込み。消費量は7.8億tと生産量は消費量を下回る。期末在庫率は同2.3ポイント減の37.8%の見込み。
トウモロコシの生産量は11.3億tで1.8%増の見込み。
アルゼンチンなどで引き下げ予想もEUなどで上方修正され、史上最高となる見込み。消費量は前年度より増加する見通しで11.5億t。生産量は消費量を下回るため期末在庫率は2.2ポイント減の24.6%の見込み。
米の生産量はタイ、フィリピンで引き上げ見込みとなり、ミャンマー、インドネシア、台湾などで下方修正されたものの、史上最高の5.04億トンの見込み。1.3%の増加。消費量は5.04億tに見込みで史上最高となる。
生産量が消費量を下回るため期末在庫率は0.6ポイント減の35.2%となる見込み。
大豆の生産量は3.6億tの前年比7.1%増の見込み。消費量は3.6億tで中国等で増加し3.5%増。生産量が消費量を下回るため期末在庫率は3.5ポイント減の23.5%の見込み。
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