フードバリューチェーン全体への資金供給促進-改正法が公布2021年5月12日
農林漁業の生産現場から食品産業まで幅広く資金需要に対応するため、今国会に提出されていた農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部改正法案が4月21日に成立し28日に公布された。
農林漁業や食品産業の分野では、輸出のための生産基盤構築と施設整備や生産現場ではスマート農業の導入にも取り組みが進んでいる。
こうした生産性向上の取り組みに対応するための資金需要が増えているが、農林漁業には天候リスクがあることや、生産活動サイクルが長期にわたることから民間ファンド等から投資を十分に受けることが難しい。また、政府主導で設立したA-FIVEは実態をふまえた資金供給方法について議論や検証が行われず、事業の見通しが甘かったと報告された。
こうしたなか農林水産省の検討会は昨年、農林中央金庫など民間主体の出資の円滑化のための措置を講じることで資金供給ニーズに応える方向を提起し、同省は法改正を図ることにした。
法律名も農業法人に限定せず「農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法」に改めた。
目的も、農林漁業の生産現場から輸出に関するものも含め、製造、加工、流通、小売、外食などフードバリューチェーン全体への資金供給を促進するための措置を講じ、農林漁業、食品産業の持続的な発展に寄与すると規定した。
農林中央金庫などJAグループが出資したアグリビジネス投資育成会社など農林水産大臣の承認を受けた投資会社、投資事業有限責任組合員の出資対象は、これまで農業法人に限定していた。これを法改正によって輸出を行う食品事業者、林業・漁業の生産法人、スマート農林水産業者などベンチャー企業、外食・流通業者に広げた。
また輸出にともなう海外現地法人への出資規制にも特例を設けた。投資事業有限責任組合が輸出先国の海外現地法人のコールドチェーン構築などに十分な投資を行えるよう、農林水産大臣の承認を受けた事業者と事業計画について、投資事業有限責任組合契約に関する海外投資割合(50%)に対する規制の対象外とすることも規定した。
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