クビアカツヤカミキリ被害で注意喚起 大阪府2021年5月13日
大阪府環境農林水産部農政室は5月12日、サクラやウメ、モモなどを加害するクビアカツヤカミキリの発生地域が拡大していることを受け、病害虫防除情報を発表した。
クビアカツヤカミキリ成虫(左)、うどん状のフラス
クビアカツヤカミキリはサクラ、モモ、ウメ、スモモなどバラ科樹木を加害する害虫で、国内では平成24(2012)年に愛知県で初めて発見されて以降、これまで11都道府県で被害が確認されており、全国各地に分布を拡げている。平成30(2018)年に飼育・移動などを禁止する特定外来生物に指定された。
大阪府では、平成27(2015)年に大阪狭山市で初めて被害が確認されて以降、南河内地域を中心にモモ、ウメ、スモモなど、バラ科の果樹における農業被害などが確認されている。
成虫の体長は約2~4cm。前胸は赤色で全体は光沢のある黒色。ジャコウのような臭いを放つ。幼虫は3月下旬~10月頃に、中華麺またはうどん状のフラス(木くずなどの混合物)を排出する。幼虫に食入された樹は樹勢が低下し、果実が肥大しない。放置すると枯死する場合もある。
ネット被覆(モモ)
防除対策は次のとおり。
○6月~8月に出現する成虫は見つけ次第、固い地面で踏みつけるなどして捕殺する。
○成虫発生期に、登録農薬を樹体に噴霧器などで散布し殺虫する。
○フラスを見つけた場合、千枚通しや針金などを穴に入れ、中のフラスをかき出し、エアゾール剤を注入する。
○被害樹に対し根元から1.5m~2m程度の高さまで4mm目合いのネットを巻き付け、成虫の拡散を防止する。樹木とネットが密着していると、出てきた成虫がネットを食い破ることがあるため、樹木との間に余裕を持たせ2重に巻く。
○定期的にネット内を確認し、成虫を見つけ次第、ハンマーなどで撲殺する。
○被害の大きい枝や樹は早期に伐採し、チップ化する。可能な場合は市町村の規定に従い焼却する。
○切り株はネットやビニルシートなどで覆う。
防除対策の詳細は、大阪府の農業技術資料「クビアカツヤカミキリの生態と防除対策」を参考にする。
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