【鳥インフルエンザ】大規模農場 畜舎ごとに責任者配置-防疫対策強化 農水省2021年5月20日
農林水産省は5月19日、鳥インフルエンザ・豚熱・アフリカ豚熱合同防疫対策本部を開き、家畜伝染病対策を強化することを決めた。
今シーズンの高病原性鳥インフルエンザは18県で52事例が発生し、殺処分羽数は約987万羽で過去最大となった。これまでのシーズン最大殺処分数は約183万羽でその5倍を超える数となった。
殺処分羽数の50%、495万羽が50万羽超の大規模農場で発生した。また、258万羽が半径3km圏内での続発という密集多発型だった。
防疫指針では殺処分は24時間以内を目安としているが、これは採卵鶏で3~6万羽を想定したもの。今シーズンは大規模農場が多く、自衛隊が派遣要請に応じて28回出動して協力した。
発生状況から見えた課題として農水省は、飼養衛生管理基準の遵守について生産者に大きな差があることや、作業従事者が基準を十分に理解していないことや、大規模農場では1人が担当する家畜の数が多く、対応が難しい事例もあるなどを整理した。
また、豚熱(CSF)の状況はワクチン未接種豚だけでなく、多くの事例で接種豚も感染した。農場では手指や車両の消毒、長靴交換など基本的な飼養衛生管理が徹底されていないことも確認された。そこにはワクチン接種が進んだことによる安心感から飼養衛生管理に対する意識の低下もあると指摘した。また、獣医師にも危機意識の低下があるという。
これらの課題をふまえ新たな対応として、▽飼養頭羽数の多い畜舎が複数存在する大規模農場は畜舎ごとに責任者を配置、▽飼養衛生管理指導等計画の策定プロセスに大規模農場や生産者団体が参画、などのほか、補助事業や制度資金について飼養衛生管理基準の遵守を要件とするクロスコンプライアンスの導入も行う。
都道府県による指導の実効性を強化するため、指導・助言から勧告・命令までの猶予期間を短縮し、是正措置の考え方を周知することも新たに実施する。
発生後のまん延防止対策でも新たな対応を加える。家畜の所有者による埋却地の確保や、焼却施設との事前協定の締結を飼養衛生管理基準で明確化するほか、国が埋却地の確保状況を都道府県ごとに公表する。大規模農場には事前に対応計画を策定し、資材を備蓄すること求める方針だ。自衛隊への派遣要請についても、都道府県での全県的な動員計画や、防疫資材調達計画で対応できない場合に限り、派遣要請すべきとの趣旨を防疫指針に盛り込む。
埋却地は約7000農場で未確保だという。
重要な記事
最新の記事
-
【提言】農業をもう一度基幹産業に(2) 武道家・思想家 内田樹氏【2025新年特集】2025年1月16日
-
鳥インフルエンザ 千葉で国内29例目 殺処分対象約489万羽に2025年1月16日
-
能登半島地震 農林水産被害 3658億円 東日本大震災に次ぐ額2025年1月16日
-
鳥インフル 米ジョージア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月16日
-
鳥インフル 英アンガス州など2州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月16日
-
ドイツ産偶蹄類由来製品等 輸入を一時停止 農水省2025年1月16日
-
ある「老人」のこの春【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第324回2025年1月16日
-
市場価格は「ないと高いがあると安い」【花づくりの現場から 宇田明】第51回2025年1月16日
-
大学生が調査、体験もとに地域づくりを提案 JA共済連の寄附講座でシンポ2025年1月16日
-
王秋梨、あたご梨を台湾で販促 シャリ感と甘み好評 全農とっとり2025年1月16日
-
米の裏作に秋冬ねぎ 無選別出荷で手間軽く JAくまがや2025年1月16日
-
栃木県産いちご「とちあいか」試食イベント 東京スカイツリータウンで開催 JA全農とちぎ2025年1月16日
-
「冬土用未の日フェア」直営飲食店舗で17日から開催 JA全農2025年1月16日
-
石井食品『地域と旬』シリーズ 三浦と東近江の野菜使ったハンバーグ発売2025年1月16日
-
「いちごフェア」期間限定で3種類のケーキが登場 カフェコムサ2025年1月16日
-
ロングセラー精米機「ミルモア」新モデル発売 サタケ― 精米品質・生産性・操作性を追求した新モデル発売 ―2025年1月16日
-
水稲用殺菌剤「リガ―ド」剤 新規登録 クミアイ化学工業2025年1月16日
-
謎解きしないと食べられない 岡山県産いちご「晴苺」フェア開催 岡山県2025年1月16日
-
東邦ガス 根域制限栽培によるシャインマスカット生産を支援 日本農業2025年1月16日
-
地域活性化農業・観光・教育 新たな発電所づくりへ クラファン開始 生活クラブ2025年1月16日