【クローズアップ:6月牛乳月間】コロナ禍 健康キーワードに酪農共感の輪 農政ジャーナリスト 伊本克宜2021年5月26日
6月1日は「牛乳の日」、6月は国際統一企画「牛乳月間」だ。Jミルクでは、新型コロナウイルス禍でSNS、オンラインを駆使し創意工夫ある催しを行う。牛乳・乳製品の免疫力が注目される中でキーワードは健康、栄養、おいしさ。酪農共感の輪を広げる。
子持つ母親へセミナー
成長期の子どもを持つ親を主な対象としたオンラインセミナーを業界が連携して行う。
成長に欠かせないカルシウムをはじめビタミンなどをバランスよく含み完全栄養食品の牛乳・乳製品の良さをアピールする。
ピンチはチャンス
コロナ禍での「牛乳の日」「牛乳月間」だが、逆に〈ピンチはチャンス〉の視点が重要だ。生乳需給は現在、外食など業務用需要が苦戦し、乳製品在庫も拡大している。一方で家庭用消費は巣ごもり需要などで好調だ。こんな中で、国民はこれまで以上に健康や栄養に関心が高まっている。牛乳・乳製品の持つ免疫力などの機能性、効能も注目が集まっている。
酪農は〈命の産業〉アピールを
こうした中で、酪農は命を育む産業だということをアピールする絶好の機会だ。酪農教育ファームは食農教育の先駆的な試み。酪農教育ファームに参加した教師達は例外なく、子ども達が生き物に触れ、食の大切さを知り、命の大切さを慈しむ情操教育の効果を実感している。酪農は生命産業であり、コロナ禍で人の命の尊さ問われる今こそ、その訴えは心に届くはずだ。
今年の「牛乳月間」は単なる需要拡大にとどまらず、これまで以上に命と牛を結びつけ、酪農への共感醸成を高めたい。
体験、工場見学見送り
昨年に引き続き乳搾りなど酪農体験や乳製品工場見学など対面型イベントは難しくなった。そこで、Jミルク、中央酪農会議、日本乳製品協会など関係団体はインターネットを使いSNS、オンライン、ホームページなどで「牛乳月間」を盛り上げていく。
年間企画「2021年は丑年!」
特色の一つは干支にちなみ年間企画「2021年は丑年!」との連動。
昨年度に引き続き牛乳月間に〈ありがとう〉をキーワードに、SNS投稿を促す。
思い返せば、1年前は休校、学校給食停止で牛乳の行き場がなくなり、生乳過剰が大きな問題となった。この時に「もう一杯牛乳を飲もう」などの運動が広がり、生乳廃棄といった最悪の事態は何とか回避できた。この時のキーワードは感謝を込め「ありがとう」。今年は休校こそないもののコロナ禍が続き生乳需給対応は綱渡り状態に変わりはない。
今年は丑年。「ありがとう」の意味合いも一段と深まる。
「父の日」は「乳の日」
6月第3日曜、今年は20日が「父の日」。5月の「母の日」に比べ盛り上がりに欠けるが、同じ〈ちち〉と読むことから、同日を前後し関係者に牛乳などを贈る「乳の日」も引き続き実施し、酪農乳業の明るい話題として盛り上げる。
カフェオレvsミルクティー
牛乳絡みの催しとして取り組むのが「カフェオレvsミルクティーあなたはどちら派?」全国調査。広く浸透しているカフェオレとミルクティーの話題とミルクを関連させ、身近な存在である国産牛乳の大切さを感じさせる試み。
コーヒー、紅茶団体や牛乳料理家のコラボによるレシピも公開する。
業界連携ミルクセミナー
乳協主催、中酪、Jミルク協賛で酪農・乳業業界団体連携の「おいしいミルクセミナー」も行う。6月1日に東京会場、6月5日に大分会場で予定している。
国際イベントとも連動
世界的な動きとも連動する。酪農・乳業の国際組織であるグローバル・ディリー・プラットフォーム(GDP)は5月29日から6月1日の4日間、「健康と栄養」「世界牛乳の日」などをテーマにSNS投稿を募る。栄養の視点からも、牛乳・乳製品は世界の人々に欠かせない食料だ。SNS投稿は世界の食料事情の〈今〉を知る機会にもなる。
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