県内で初めてフタテンミドリヒメヨコバイを確認 高知県2021年6月9日
高知県病害虫防除所は、ナスに県内で未確認のフタテンミドリヒメヨコバイの発生を確認し、6月8日に特殊報第1号を発表した。
フタテンミドリヒメヨコバイ成虫
5月に県東部の施設ナスほ場で、葉が黄化する症状が確認され、被害葉上で翅末端に一対の黒点があるヨコバイが確認された。
ほ場から虫体を採集し、農水省神戸植物防疫所に同定依頼したところ、高知県ではこれまで未確認のフタテンミドリヒメヨコバイと判明した。
被害状況
この種は国外では、台湾、中国、インドなどに分布し、ナスやトマト、ジャガイモのほか、オクラ、ワタ、ハイビスカスの害虫とされる。国内では、沖縄県のオクラで発生が確認されているほか、平成17(2005)年に東京都のナス、オクラ、ハイビスカスでこの種の被害が報告されている。また、近年では令和2(2020)年に熊本県のオクラで発生報告がある。
成虫の体長は2.7~3.2mm。複眼は白色で頭胸部は黄緑色をしており、上翅は半透明白色で翅の末端に一対の黒点がある。終齢幼虫の体長は、2.4~3.2mm。全身がほぼ黄緑色で複眼は白色をしている。
雌成虫は、葉脈に黄白色の卵を一度に15卵ほど産卵する。卵は孵化直前には灰色がかった黄色になり、4~11日で孵化する。幼虫期間は7~21日、成虫の寿命は35~50日となっている。幼虫、成虫ともに新葉や茎から吸汁し、葉の黄化や奇形となることで、植物の生育が抑制される。
現時点でナスのこの種への適用登録のある農薬はない。防除対策では、成虫の侵入を防ぐため、開口部に2mm目以下の防虫ネットを設置する。栽培終了時には、近隣の作物にこの種が移動しないよう、蒸し込み処理を行った後に残渣処理を行うよう促している。
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