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営農管理システム 今後の活用意向51.8% 普及へメリット説明が重要-農水省2021年6月9日

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農林水産省が天気予報や市況などのデータを活用している担い手を対象に営農管理の方法などを聞いた「ICTを活用した農業の取組に関する意識・意向調査結果」によると営農管理システムを「活用する意向がある」と回答した割合は51.8%だった。活用する意向がない担い手が理由に挙げたのは「使い方が難しそうだから」という先入観に基づく回答も少なくない。調査した農水省の担当部署は「雇用を増やすなど経営の高度化にさまざまなメリットがあることを知ってもらうことが必要になっている」と話す。

営農システムを活用する意向

昨年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画では2025年までに「農業の担い手のほぼすべてがデータを活用した農業を実践することをめざす」との目標を掲げている。
2020年農林業センサス結果をもとに認定農業者や集落営農組織など担い手について「データを活用している」と回答した割合を組み替え集計でまとめたところ、36.4%だった。

ただ、データの活用については、市況や気象情報などのデータを分析して営農に活かすという高度な利用から、栽培履歴などを記録するというレベルもある。農水省は今回、こうした分析や記録といった水準ではないものの、「データを取得して活用」と回答した担い手の実態を調査した。

2月上旬から3月上旬にかけて2020年農林業センサスで「データを取得して活用」と回答した認定農業者等のいる農業経営体の世帯主、代表者2000人が対象。1420人から回答を得た。

営農管理の方法について聞いたところ、全農のZ-GISやクボタのKSASなど「営農管理システムを活用している」のは5.3%、エクセルやワードなどを使って「自らの様式で管理」が21.3%、「生育状況などを写真に撮って保存」が5.8%だった。

もっとも多かったのが営農日誌等の「ノートに記録」で45.7%と半数近かった。ただ、農水省によると、ワードやエクセルでデータを記録したり、すでに営農管理システムを利用している担い手もいることからデータ利用に消極的なわけではないと見る。

気象情報の入手方法については「スマートフォン等の無料配信サービス」が72.6%ともっとも高く、その活用については「1週間程度先までの営農作業を計画」との回答が55.6%となっている。

一方で営農管理システムを今後活用するかどうかを聞いたところ「活用する意向がある」との回答は51.8%だった。

営農管理システムを活用する意向がない理由

45.8%が「活用する意向はない」だったが、その理由は「必要がない(現在のままで十分だから)」が51.2%でもっとも高く、「自分の営農管理にどのように利用すればいいかわからない」が36.8%、「使い方が難しそうだから」が35.5%だった。
農水省はこの結果について、担い手のなかでも家族が経営基盤となっている経営体などは、営農日誌と家族のコミュニケーションで作業計画から出荷まで管理できており「必要性を感じていないということではないか」とみる。

一方で地域の農地を引き受けて規模拡大したり、複合経営で経営を高度化し、たとえば、雇用労働を必要とするとなれば、その日の作業指示と記録、生育状況の把握など営農管理システムがあれば、管理だけでなく情報の共有化も図れるなどのメリットがある。

活用する意向がない理由のなかで、利用に仕方が分からない、難しそうというという声が少なくないが、それは情報提供がまだまだ不足しているということでもある。「地域のなかで誰かが活用を始めると変わってくるのでは。メリットを知ってもらえば営農管理システム活用のハードルも下がるのではないか」と農水省は話している。

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