ウンカ類早い初飛来で防除対策の徹底を 三重県2021年6月21日
三重県病害虫防除所は6月11日に、水稲でウンカ類(トビイロウンカ、セジロウンカ)の初飛来を確認。これを受け、6月17日に病害虫防除技術情報第6号を発表し、今後の防除対策の徹底を促している。
2020年に発生したトビイロウンカによる坪枯れ被害の状況(左)とトビイロウンカ成虫(右上:長翅型、右下:短翅型)(写真提供:三重県病害虫防除所)
松阪市嬉野川北町の予察灯(100w水銀灯)で、6月11日にトビイロウンカ1頭、12日にセジロウンカ2頭の初誘殺を確認した。セジロウンカの初誘殺は、平年7月3日であることから、今年のウンカ類の飛来は平年に比べ、20日以上早い状況になっている。
日本植物防疫協会提供のウンカの飛来解析によると、三重県には5月17日、18日、21日、27日、29日と6月4日に飛来した可能性があるという。
すでに近県の和歌山県、大阪府、奈良県、静岡県では、5月中旬から下旬にかけてトビイロウンカの誘殺が確認されており、三重県でも広い範囲で飛来したことが推察されるとしている。
有効積算温度による発生予測によると、今年は飛来時期が早く、第3世代の発生に伴う被害が8月中旬から予想される。そのため、同防除所では「普通期水稲だけでなく、早期水稲でも被害が発生する可能性があるため、必ず防除対策を行ってほしい」と注意を呼びかけている。
作期ごとの防除対策は次のとおり。
〈早期水稲〉
○6月中の農薬散布は、第1世代幼虫の防除に効果を示す。
○7月後半の農薬散布は、第2世代幼虫の防除に効果を示す。穂ぞろい期にカメムシ類防除を兼ねた散布を行う。
〈普通期水稲〉
○移植時に箱施用剤などでウンカ類防除を行っていない場合や、箱施用剤の農薬成分がウンカ類に対して効果の低いものの場合は、6月または7月後半に農薬散布を行う。
○出穂期の8月以降には、カメムシ類防除を兼ねた散布を行う。
この種は株元に生息しているため、液剤・粉剤を散布する場合は、株元に十分かかるよう散布する。
また、感受性低下が報告されている次の剤は使用を避けるよう促している。
トビイロウンカ
農薬成分:イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ブフロフェジン
セジロウンカ
農薬成分:フィプロニル
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日