クロテンコナカイガラムシを初確認 愛媛県2021年7月13日
愛媛県病害虫防除所は、県内の施設ナスほ場でクロテンコナカイガラムシ(Phenacoccus solenopsis Tinsley)を初めて確認。7月9日に病害虫防除技術情報第5号を発表した。
葉への寄生状況(写真提供:愛媛県病害虫防除所)
6月に今治市内の施設ナスほ場で、ナスの葉や果実に寄生するコナカイガラムシ類が確認された。神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、県内では未発生のクロテンコナカイガラムシと判明した。
同防除所では、7月上旬までに周囲の雑草や近隣の施設ナスほ場で発生状況を調査したが、寄生は確認されなかった。
クロテンコナカイガラムシ雌成虫(写真提供:愛媛県病害虫防除所)
この虫は、平成21(2009)年に沖縄県(スイゼンジナ、ヒマワリ)で初めて発生を確認。その後、佐賀県(ナス)、福岡県(ミニトマト、ナス)、愛知県(食用トレニア、食用金魚草)、山口県(トマト)、高知県(ナス)、鹿児島県(ミニトマト)、大阪府(ナス)、奈良県(ホウレンソウ)、長崎県(ナス)、京都(トマト)で発生が確認されている。
雌成虫は翅を欠き、体形は楕円形。体長は通常3~4.2mm程度で、大きい個体は5mmを超える。背面に白色のロウ質物を分泌しており、全体では白く見えるが、ロウ質物は亜中央部で薄くなる。そのため、肉眼で観察すると一見2対の黒斑があるように見える。
成虫はワタ状のロウ質物の卵のう内に、平均350個程度を産卵する。繁殖様式は、交尾後産卵する有性生殖と、雌成虫が交尾せずに産卵する単為生殖の両方が知られている。
卵の多くは雌成虫の体内でふ化するため、卵のう内の個体の多くはふ化幼虫(1齢幼虫)である。1齢幼虫は数日間卵のう内で過ごした後、摂食のために歩いて分散する。雌では2齢、3齢幼虫を経て成虫となる。雄では2齢幼虫の終わりに繭を作り、前蛹、蛹を経て羽化し、1対の翅を持つ成虫となる。この種の単為生殖個体群における1世代の発育期間は平均70日程度とされている。
被害の特徴として、寄主植物の葉、葉柄、茎、花芽や果実に寄生する。吸汁で寄主植物を衰弱させるほか、分泌した甘露(糖分を多く含む排泄物)が植物体表面のすす病菌を繁殖させる。防除対策は次のとおり。
〈防除対策〉
(1)令和3年7月現在、この種に対する登録農薬は無い。
(2)発生を確認した場合は、寄生部位を除去し適正に処分する。栽培終了時には近隣の寄主作物にこの種が移動しないよう、残さを速やかに処分する。
(3)キク科雑草やスベリヒユなど、野外の雑草にも寄生するため、ほ場や周辺の除草対策を徹底する。
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