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愛媛県でサツマイモ基腐病が発生 全国的な拡大に警戒2021年7月29日

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愛媛県病害虫防除所は7月29日、サツマイモ基腐病の発生を県内で初めて確認したことから、病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。全国での発生は15都府県目となり、四国地方では、昨年12月に特殊報を発表した高知県に続く2県目となった。

塊根の腐敗状況塊根の腐敗状況

昨年10月に県東部のサツマイモ栽培ほ場で、地際部の茎および塊根が黒色~暗褐色に変色する症状が確認された。採取した株からPhomopsis属菌が分離されたことから、農水省神戸植物防疫所に同定を依頼した結果、サツマイモ基腐病と判明した。

本病は平成30年11月に、国内で初めて沖縄県で発生を確認。その後、鹿児島県、宮崎県、熊本県、福岡県、長崎県、高知県、静岡県、岐阜県、さらに今年になって群馬県、茨城県、東京都、千葉県、岩手県へと全国的に拡大し、これまで14都府県で発生が確認されている。

この病の発病初期は、地際部の茎が黒~暗褐色に変色し腐敗する。その後、茎の被害部が拡大し、やがて茎葉が萎凋し枯死する。発病が藷梗(茎と塊根を繋ぐ部分)を経て、塊根まで拡大すると、なり首側から塊根が腐敗する。

被害株の変色部表層には、微小な黒点粒状の分生子殻の形成が認められ、分生子には大きさ、形状の異なる二つの型がある。この菌の宿主植物はヒルガオ科植物で、罹病した塊根やつるで伝搬する。また、植物残渣上で越冬し、翌年の伝染源となる。防除対策は次のとおり。

〈防除対策〉
○発病した株(つるや塊根)は、速やかに抜き取り、ほ場内や周辺に残渣を残さないよう処分する。
○発病株の除去前後には、周辺株への感染予防のため、銅剤(Zボルドーまたはジーファイン水和剤)を複数回散布する。
○収穫後はほ場から残渣を速やかに除去し、耕耘などを行い除去しきれなかった残渣の分解を促進する。
○ この病が発生したほ場で使用した資材や機材を別ほ場で使用する場合は、消毒や洗浄を十分に行う。
○発生ほ場では、次作のサツマイモ栽培を控え輪作を行う。
○この病が発生したほ場からは種芋を採取しない。種芋には腐敗や病害、傷のない健全なものを用いて、種芋の消毒を行う。
○苗床の土壌消毒を行う。
○苗は地際部から5cm以上切り上げて採苗し、採苗当日に苗を消毒する。
○植付前には、ほ場の排水対策や土壌消毒を行う。

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