タバコガ類などの夏の病害虫対策を紹介 東京都2021年8月3日
東京都病害虫防除所は、タバコガ類やハイマダラノメイガなどの防除対策を8月の防除のポイントとしてまとめ、7月29日に公表した。
トマトの果実を加害するタバコガ類(写真提供:東京都病害虫防除所)
主な病害虫の防除法は次のとおり。
〈農作物全般〉
○在来天敵ヒメハナカメムシ類の活用
アザミウマ類やハダニ類など、在来天敵類の防除に大きな役割を果たしている。
予察灯の誘殺数では、8月に発生が最も多くなる傾向があり、1年の中でこの時期が最も力を発揮しやすいとされる。しかし、すべての害虫をこの天敵のみで防除することは難しいため、適切な殺虫剤を選択し、BT剤やIGR剤といった天敵に影響の少ない農薬を併用することで、害虫の密度を下げる。
○タバコガ類
7月の巡回調査でトマト、ナス、花き類への被害が確認されている。特にオオタバコガは寄主範囲が広く、キャベツなどの葉菜類も加害する。これからの時期は増加期にあたるため、被害が多くなると予想される。そのため、ほ場を注意深く見回り、食害の痕跡がある場合は被害果は速やかに除去する。また、この虫が若齢幼虫のうちに、防除指針を参考に防除を行うよう呼びかけている。
〈トマト〉
○トマト黄化葉巻病等のウイルス病
8月から9月にかけて、促成長期どり栽培や抑制栽培では、ウイルス病の対策が重要となる。トマト黄化葉巻病の原因であるトマト黄化葉巻ウイルスは、感染力が強く、低密度でも大きな被害を受ける。
特にウイルス病は、育苗期に感染すると病徴が激しく、被害が大きくなるため、この時期にウイルスを媒介するコナジラミ類やアザミウマ類の防除を徹底するよう促している。
防除対策では、育苗時から施設開口部に0.4mm目合以下の防虫ネットを張り、コナジラミ類やアザミウマ類の侵入を防ぐとともに、黄色粘着トラップを設置し、これらの害虫の発生を監視する。発生を確認した場合は、速やかに防除指針を参考に適切な防除を行う。
〈ネギ類〉
○ネギアザミウマ
巡回調査では寄生率が高く、今後も増加期にあたるため被害が多くなると予想される。ネギアザミウマは、薬剤抵抗性が懸念されるため、防除指針を参考に薬剤による防除を実施する。
〈アブラナ科野菜〉
○ハイマダラノメイガ
この虫はダイコン、キャベツ、ハクサイ、カブなどの害虫で、幼苗期や生育初期に幼虫が生長点付近の葉や茎を加害する。夏期の気温が高く、少雨の時は発生が多くなる。キャベツやブロッコリーでは、育苗時に防虫ネットを活用する。育苗期後半定植期にかけては、防除指針を参考に防除を行うよう促している。
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